市民のための政治を取り戻そう!①~前武蔵野市長 松下玲子さんとの懇談会~

2024年1月27日(土)に前武蔵野市長 松下玲子さんを囲む懇談会に参加しました。
この会は「子どもが住みやすいまち」をめざして集まった人たちが開催しました。

武蔵野市には、自治基本条例や、議会基本条例、そして、子どもの権利条例があり、とても民主的な市政運営が行われていることがお話から伺えました。

民主的な運営がされている武蔵野市政について、多くの質問が飛び交いました。それぞれの質問に笑顔で答える松下さん。

【自治基本条例と、議会基本条例】
品川・生活者ネットワークは発足以来30年間、品川区に自治基本条例と、議会基本条例の制定を求めています。国からは独立した地方自治体として、市民に開かれた区政・区議会であるために必要な条例です。

武蔵野市では、自治基本条例で武蔵野市民の定義を、武蔵野市に住む人に限っていません。
武蔵野市に在勤、在学している人はもちろん、武蔵野市にゆかりがあり愛着のある人等を含めて広く定義しています。

この考え方はとても重要で、品川区でも学ぶべき視点です。
生活者ネットワークは、住民票のある狭義の区民ではなく、コミュニティの利害と特別な結びつきを持った社会の構成員という意味で市民と表しています。
羽田新飛行ルート問題や気候危機問題等などで影響を受けるのは区民だけではなく、品川区に関わるすべての人たちです。

しかし、私が議員として品川区議会に在籍していた時は、「市民」と発言をするたびに議員からは、「市民じゃなく区民だ!」などのヤジが飛んでいました。
また、”「市民」という言葉をなぜ使うか”を、説明したうえで質疑をした時には、
理事者までもが、「区民のために力を尽くしたい」と、対象を狭め答弁をする場面があったからです。

【意見陳述ができない。委員会のネット中継が無い…品川区議会の怪】
品川区議会では、陳情書などの提出者に陳述をさせません。
提出者が陳述を希望をしても、委員会で否決をしてしまうことが常態化しています。

武蔵野市では、請願・陳情の提出者は、「陳述はしない」と申し出ない限り陳述を行い、提出者と議員での質疑も行われるそうです。
提出者の思いを理解したうえで議会審議がされるという至極真っ当な議会運営であり、品川区議会でもすぐにでも改善して欲しいと思いました。

また、生活者ネットワークは委員会のインターネット中継の導入を何度も求めてきましたが、一向に進みません。それどころか、本会議の録画放送は、5年が経過すると品川区議会のHP上から消えてしまいます。

コロナウイルス感染症で影響があったころには特に、市民にとってインターネット中継は必要であったとして、全国的に一気に議会のオンライン化が進んでいたと思っていた松下さんは、品川区議会で未だにインターネット中継がないことにとても驚かれていました。

議会には、行政が提案する政策や事業の判断を審議する役割。
そして、条例の可否と予算を決定する役割があります。

特に委員会は、市民生活に直結する政策や事業が報告され、審議が行われる場です。
当然市民に公開されるべきで、傍聴以外にもインターネット中継の導入が必要だということを、参加者と共に共有しました。

自治基本条例と、議会基本条例は市民政治の実現に向けて必要だと共有しました。

武蔵野市子どもの権利条例
武蔵野市の子どもの権利条例は、市議会からの一般質問が多数あがったことが条例づくりに舵を切るきっかけだったと聞きました。

議員の質問の中でも特に、「子どもプラン(品川区でいう計画)では、市長によってプラン変更が可能となってしまう。しかし、子どもの権利条例を制定することにより、市長が変わっても議会を経ずには子どもの権利条例を変えることはできない。知らない間に内容がいつの間にか変わった、ということがないように条例制定が必要だ。」という声に賛同し、権利条例制定に向けて進むことができたそうです。

条例制定には子どもも当然参加し、”条例の前文は子ども達が作った”と知り、とても驚きました!

また、現在は新しい武蔵野市長となりましたが、条例にしたがって子どもの権利擁護機関の設置も着々と進んでいるとのことです。

【全ての子どもを対象にした権利擁護機関の設置を!】
武蔵野市の権利擁護機関は、もちろん、武蔵野市の子ども全てを対象にしています。
品川・生活者ネットワークはこれまでに何度も、品川区に”全ての子どもを対象にした権利擁護機関の設置”を求めてきました。

品川区では、今年10月に開設される区立児童相談所に権利擁護機関を設置します。
しかし、その対象は、”児相に関わる子どものための擁護機関”として、全ての子どもが対象ではありません
(資料→2023年3月20日 令和4年度 第2回区立児童相談所設置・運営計画検討委員会

さらに区は、小学3年生以下の子どもには、児童相談所で子どもが相談できることを”周知しない”としています。
児童相談所は”児童の相談所”であり、大人からの様々な暴力から「逃げたい!!」と願っている3年生以下の小さな子どもは存在するのですから、周知し、救済に繋げるべきです。

例えば、家庭で保護者から虐待を受けている子どもの中には、自分や家族から近い大人へ(例:学校やすまいるスクール、児童センターのスタッフなど)虐待を受けていることを相談することは、”虐待している保護者に相談事が伝わり、さらに自分への虐待が強まる。”ことを警戒し、SOSを発せない子どもの存在があります。

自分の生活から離れたところにある相談口には、相談ができる。救済を求めたい。と考えている子どもは必ずいるので、児童相談所や権利擁護機関の周知は小学三年生以下の子どもにも絶対に必要です。

現在、”いじめ相談対策室”も立ち上がりました。
こちらもいじめに特化した相談室として、子どもたちには周知されています。
子どもが自身でいじめを認識してから声を挙げることが前提となり、いじめかどうかの判断がつかないけれど、嫌だと感じていることについて、子どもが声を挙げづらい仕組みとなっています。

年齢や暴力の種別などで対象を限るのではなく、子どもが困った時や「嫌だな」と感じた時に相談ができる場所。子どもの相談解決に向けて一緒に取り組む権利擁護機関の設置は急務です。
引き続き品川区には施策の転換を求めていきます。

前武蔵野市長 松下玲子さんも現在子育て中で、私の子と同学年の子どもを育てています。
子育てをしながらパワフルに市政に立ち向かってこられ、現在は国政に向けて新たな挑戦をはじめようとしている松下さんに、心からのエールを送りたい思いました。

田中さやか