【羽田新飛行ルート】品川区「羽田空港周辺振興協議会」からの補助金を「立会川・勝島地区まちづくり検討費」に活用していた!

現在行われている予算特別委員会では、初日の3月6日に≪2022年度 最終補正予算≫の審議がありました。
補正予算では、「羽田空港周辺振興協議会」から当初予算補助金1000万円に対して、428万円の減額補正が報告されました。

品川区は、「一般財団法人空港振興・環境整備支援機構」から「空港周辺環境整備事業」として、空港周辺の小中学校等に補助金を受けていたことは承知していましたが、「羽田空港周辺振興協議会」という団体からの補助金については知りませんでした。
膨大な資料の中で、初めて補正予算に出てきたので過去の予算書決算書を調べてみました。

遡って2020年に初めて品川区は「羽田空港周辺振興協議会」から補助金を受けています。
2020年から2022まで、過去3年間で予算書には2800万余が計上されています。
2023度の予算書にはこの団体からの補助金はありません。

補助金は、「立会川・勝島地区まちづくり検討経費」に活用
決算ベースで2020年640万円、2021年816万円、2022年572万円、合計2028万円の補助金を品川区は事業執行しています。
補助金を充てた事業は、「立会川・勝島地区まちづくり検討経費」です。

過去の議事録を確認すると、2020年3月に品川区は、
①区の提案により助成が実現。
②これまであった助成制度に、新飛行ルートを契機として応募し活用を始めた。
…と、説明しています。
この検討経費は、立会川・勝島地区まちづくりビジョンに沿った「まちづくり」とのことです。

≪「羽田空港周辺振興協議会」の補助金制度の中に、区民が求める騒音等の対策に活用できる補助制度があるのではないか?≫
そのように生活者ネットワークは考え、確認をするために「羽田空港周辺振興協議会」を調べたところ、
一般財団法人 空港振興・環境整備支援機構」しか出てきませんでした。

この機構からは品川区は、沖合移転の頃から「空港周辺生活環境等の改善を図るための事業」の助成を受け、空港から近い地域では健康診断など。学校では楽器の購入などに助成が活用されています。

生活者ネットワークは、学校での羽田新飛行ルートによる子どもへの騒音の問題は早急に対応するべきだとして「一般財団法人 空港振興・環境整備支援機構」に区から、防音対策等の補助を求めるべきだと、これまでも質疑し、提案してきた経緯があります。

「一般財団法人 空港振興・環境整備支援機構」と、「羽田空港周辺振興協議会」の関係は?
 「一般財団法人 空港振興・環境整備支援機構」のHPを見てみると、
<業務・財務資料>令和3年事業報告書 P4に ⑥ 羽田空港周辺振興策に、『羽田空港周辺振興協議会の事業実施に要する経費に対する拠出金助成を行った。』とあり、その助成総額は、3,250万円とありました。

それ以外に「羽田空港周辺振興協議会」の情報が見つけられないため、品川区に何度も「羽田空港周辺振興協議会」についての詳細の説明を求めましたが、区は頑なに示しませんでした。

それどころか、「区も協議会のことはよく把握できていない。」というようなニュアンスでけむに巻こうという姿勢でした。
3年間で約2000万円を超える補助金を受け取っておきながら、その助成をしている団体について、選挙で区民の付託を受けた議員にも説明ができないなどと言い逃れは許されません。
区の姿勢は納得できずに、議事録にも残しておきたいと思い予算特別委員会の中で質疑しました。

以下、予算特別委員会の質疑で確認ができたこと
①品川区は、予算特別委員会(2023.3.6開催)で、羽田空港周辺振興協議会の「要綱」か「要領」があることを答弁。(問い合わせで、「何も情報が無い」と言っていたのは虚偽だった。)
②「羽田空港周辺振興協議会」は「一般財団法人 空港振興・環境整備支援機構」のメンバーであることを答弁。(同上)

これまでの経緯からも分かるように、
品川区は「羽田空港周辺振興協議会」に関する情報を持っているにもかかわらず、明らかにせず、なぜ隠すのか?疑念がわきます。

区が資料提供を拒むので、東京・生活者ネットワークの元都議会議員で、現在、衆議院議員の大河原まさこ事務所を通して、「羽田空港周辺振興協議会」に関する資料を取り寄せました。
提供されたのは、このHPで添付した上記の資料です。

「羽田空港周辺振興協議会」の詳細について知ることができる「要綱」については、任意団体のため、<非公開>だったとのことでした。
補助金の選考を行い、お金を動かす立場にある団体について詳細を確認できないのは釈然としません。

区民が求めているのは、羽田新飛行ルートの撤回・中止!
そして騒音の軽減対策です。
区が推進しようとする、≪新飛行ルートを好機にしたまちづくり≫では、ありません。

テレワークの仕事が航空機の騒音でできない。乳幼児の昼寝に支障をきたしている。
騒音で健康被害が出ている。視覚障がい者は、車の音が聞こえず一人で外出も怖くてできない。
音に過敏な特性のある方はパニックの頻度が増えている。…等々。

すでにある騒音の実害に対しては、区民から寄せられている羽田新飛行ルートに関する600件を超える意見の中で、区は確認しているはずです。
(区民が『区に寄せられた声』を情報開示請求を行った結果、多くの悲痛な訴えが明記されています)

衆議院議員大河原まさこ事務所を通して入手した添付資料を基に、2023年3月22日(水)の予算特別委員会 総括質疑でいながき孝子がこの問題について取り上げます。
皆さまのご意見、お寄せください。