身をもって体験した防災への備え

2018年9月4日から6日まで品川区議会の区民委員会で青森県八戸市、北海道函館市、札幌市に行政視察へ行きました。
視察前日の9月3日から9月5日にかけて大型台風が日本列島を横断。関西地方に大きな爪痕を残し、翌9月6日には北海道地震が発生しました。

大型台風ならびに地震により亡くなられた皆さまに心よりのご冥福をお祈り申し上げます。また被害に遭われた皆さまに心からお見舞い申し上げます。

 

今回は、北海道地震に遭遇し、視察からの帰りは6日ではなく翌7日、飛行機の予約が取れた旭川空港からとなりました。私自身の被災体験を通して見えてきた「防災準備」について書きたいと思います。

9月6日の未明3時7分に最大震度7の地震が発生。宿泊していた札幌のホテルで地震に遭遇しました。真夜中の地震で停電が起こり室内も屋外も真っ暗になりました。暗闇の中、携帯電話を探し出して、その明かりを頼りに室内に設置されていた非常用ライトを見つけ、小さな光を灯すことができました。

 

日中の停電では見落としがちですが、夜間の停電になることを考えると、枕元や各部屋の分かりやすい場所に懐中電灯などの「明かりを灯すもの」は必須です。各部屋の決めた場所に置いてあると、突然の闇に襲われても安心です。
停電の影響により情報を得られるはずのテレビも見られず、携帯電話だけが頼りでした。しかし、携帯電話の充電がなくなってしまい連絡を取ることが出来なくなるという事態になってしまいました。

そのような時に、家族や事務所に安否を報告できたのは「公衆電話」でした。
北海道地震の時には北海道全域で公衆電話が無料開放され、10円玉を入れても電話を切った際に、投入した10円玉が戻ってきました。(テレフォンカードは利用できません。)
全国的に公衆電話は撤去されて減少傾向にありますが、家族に無事を報告することができて、東京で流れている北海道の情報を得ることができたのは「公衆電話」からでした。
品川区内の公衆電話の設置数は、390台ということです。うち屋外は219台です。

公衆電話が発災時に効力を発揮する存在だということを身を持って体験しました。防災対策として品川区とNTTで増設に向けで協議を開始することを求めていきたいと思います。防災地図などで公衆電話の設置場所を周知していくことも必要です。

NTT東日本が公衆電話の設置場所を毎月更新しています。転ばず先の杖としてご覧ください。
【公衆電話 設置場所検索 東京都】

公衆電話のほかに自助として、携帯電話のモバイルバッテリーや、携帯ラジオ、数枚の10円玉、また、携帯の充電が無くなり電話帳を開けなくなる事態に備え、必要な人の連絡先をメモに残し控えておくことも重要です。

非常食の備えと共に必要なのが非常用トイレです。集合住宅が建ち並ぶ品川区でも「トイレ」の問題は深刻です。発災時の下水管のつまりや破損でトイレ利用が他人に迷惑となることもあります。なにより命にも直結する大変な問題であることは過去の災害でも十分証明されています。各家庭での非常用トイレの備えをして欲しいと思います。
北海道地震に遭ったとき宿泊したホテルでは、非常用トイレの備えがありませんでした。
品川区として、ホテル等の宿泊施設事業者や集合住宅などの管理者に「非常用トイレの備え」について確認を取り、設置を呼び掛ける必要があると考えます。

 

国土交通省では、災害時のトイレについて漫画と動画で注意を促しています。皆さん是非、ご確認ください。

【漫画・災害時のトイレ、どうする?】

【動画・災害時のトイレ、どうする?】

 

最後に日本語を母国語としていない住民や観光客への情報提供についてです。札幌市のバス停やお店では、日本語で情報提供を張り出しているところが多く、外国の方への情報提供にも課題が見えました。

ちょうど9月20日にオリンピック・パラリンピック推進特別委員会で品川観光協会に視察を行いましたので、よい機会と思い、観光客向け防災情報について伺いました。品川区の避難所などを記した外国人向けの防災ガイドがあるのか質すと、協会では必要性を感じているが現段階では用意が無いということでした。区と連携し早急に対応をしてく課題だということがその場で共有されました。

 

東日本大震災をはじめ、熊本地震や九州豪雨、大阪の地震、大型台風、北海道地震と列挙しきれない災害が相次いで起こっています。被災地の一日も早い復興と人々の生活の安定を願います。そしてこれまでの被害を教訓にして、自助・共助・公助の役割を踏まえて、市民参加で防災減災のまちづくりが進むよう区に提案していきたいと思います。

皆さまも「防災減災のまちづくり」についてお気づきのことがありましたら、ぜひお声をお寄せください。<たなか・さやか>