「子どもの権利の視点から教育を考える」学習会に参加しました。ー講師 池田賢市さんー 憲法と教育、教育基本法と性教育(包括的性教育/プレコンセプションケア)について
2026年2月11日に「子どもの権利の視点から教育を考える」学習会に、実行委員の一人として参加しました。
学習会は、想定を上回る参加者で、席が足らなくなるほどでした。
教育の憲法といわれた旧教育基本法が改定されてから20年。
残念ながら子どもの自死や不登校は高止まりの状況が続いています。
私は、子育てをしている中で、子どもが安全に楽しみながら学びを得られる機会が重要だと考えており、
本来、学校がそのような場であるはずです。
しかし、子どもたちから聴こえてくるのは、学校を嫌がる声や不満の声です。
嫌がる理由を詳しく聴いていくと、学校の中で起きている不適切指導などの子どもへのあらゆる暴力・権利侵害に直面し、
調査をする中で、学校現場で起きている疲弊感は、教育基本法の改定が大きく関わっているのではないか?と私は疑念を抱くようになりました。
(不適切指導などの過去の記事は以下からご確認ください。)

□憲法と教育の関係 20年前に改悪された教育基本法とは
講師の池田賢市さんは、「旧教育基本法は、憲法に書かれているべき内容であった。しかし、教育はとても大事なので、教育の部分だけを抜き取り別の法律を立てた。つまり、準憲法的性質を持っている。日本国憲法を変えたい勢力は、憲法を変える手続きが非常に困難であるため、憲法を変える目的を持って教育基本法を改定した。」と説明されました。
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◆品川区の教育と、教育基本法の改悪の関係性
●2006年12月 教育基本法改悪される。
教育基本法は、多くの市民、研究者、弁護士、団体等が反対を訴える中、衆院教育基本法特別委員会で与党が単独で採決し、衆院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決となりました。
・品川区では初の小中一貫校「日野学園」が開設された。
(品川区は2003年7月構造改革特区の小中一貫教育特区の申請。2年余りの研究準備期間を経て06年度から区内の全小・中学校において小中一貫教育を開始。
全国各地で小中一貫教育の動きは進んだが、小学校と中学校が同じ校舎を共有するケースは、全国でも日野学園が初めてだった。)
・品川区独自の教科「市民科」が始まる。
●2018年 道徳の教科化が始まる。
戦前教育の「修身の再来」と言われた「道徳の教科化」。市民科が道徳の歯止めとなるはずでしたが、実際の現場では混乱が見られます。
また、市民科については策定過程が公開されず、第三者の市民の監視の目が届きにくいという大きな課題があります。
現在、これからの市民科について検討がされています。ぜひ、注視してください。
(参考→これからの市民科について(第1次案)品川区議会文教委員会 令和7年7月1日資料)
検討状況については現在も明らかになっておらず、私たちは品川区教育委員会に情報開示を求め続けています。
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□2028年を目途に(仮称)品川区子どもの権利条例が制定予定!条例に必要な視点とは
「 “国連子どもの権利条約”において、初めて子どもが社会を構成する『行動する市民』であると示された。従って『参加する権利』を保障する意見表明権は重要である。」として、品川区で制定が予定されている子どもの権利条例においても意見表明権が重要。”と、講師の池田賢市さんは指摘されました。
品川区では、子どもの声を聴くイベントが開催されましたが、対象は小学5年生以上。また、品川区立児童相談所を設置していますが、その設置の説明対象は小学3年生以上です。
その理由として、「小学5年生以上なら、同じ参加者の高校生とも会話ができるため。」「小学3年生以下は、児相の説明をしても理解に繋がらないため。」としていました。
池田さんは、「子どもは赤ちゃんの時から意見表明をしている。赤ちゃんが、泣くことで何を訴えているかを聴き取る大人側の姿勢が必要。」とし、幼い子どもは未熟として意見を全面的に取り挙げるのは難しいとするのは間違いであると断言しました。
質疑応答では、参加者から多くの質問が寄せられ、終了後のアンケートも多くの方が回答してくれました。
それだけ多くの学びや共感があったのだろうと感じました。
□憲法と、国際条約は強力な根拠となる
教育基本法改悪を止められなかった。
または、そもそも改悪自体を知らなかった…という参加者から、大きなため息とともに
「重要だった教育基本法が変えられてしまった今、子どもの権利が保障される教育現場に変えるには、どうしたら良いのか?」という質問が上がりました。
池田さんは、「憲法と国際条約を根拠にすることがとても重要。」と話、暗くなった雰囲気が少し、明るくなりました。

□高市首相の所信表明に注視が必要
高市政権は所信表明で、”…性や健康に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うプレコンセプションケアを推進”と、表明しました。
性や健康に関する知識をつけるなら「包括的性教育」という言葉があります。
「包括的性教育」を使わずに、主に将来の妊娠のために若年女子が体を整えることが想定される「プレコンセプションケア」が入っていることに、女性が産む・産まないを選択できる権利を奪いかねない社会に繋がるのではないかと警戒します。
(こども家庭庁 プレコンセプションケアの取組の推進)
プレコンセプションケア=「受胎前ケア」の意味。プレコンセプション教育とは「すべての女性は将来産む存在」という前提に立つもの。
◆セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)・包括的性教育を学び、プレコンセプションケアを知ることが重要
国際的に女性の権利の根本的理念とされており、包括的性教育でも重視されるセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)「女性は自分の身体に関することを自分自身で決める権利がある」という理念です。プレコンセプション教育とは相反する懸念があります。
このセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)についてしっかり学んだうえでのプレコンセプションケアを知ることが重要だと強く訴えます。
■参加者の方たちからは、次回開催を望む多くの声がありました。
アンケートでは、教育基本法・性教育・インクルーシブ教育について企画を望む声がありました。
実行委員メンバーで話し合い、次回以降の開催についても検討を始めたいと思います。
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田中さやか
