2022年度予算 総括質疑 子どもの権利・羽田新飛行ルート・再開発問題を取り上げました。
2022年度の品川区予算を審議する予算特別委員会で総括質疑に臨みました。
質疑のようすは、品川区議会HPのこちらから視聴できます。
品川・生活者ネットワークの質疑時間は15分。(答弁時間は含みません。)
短い質問時間ですので、質問項目は以下の3点に絞りました。
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【1】子どもの権利
東京都の2022年度予算に、「東京都子ども基本条例」を根拠に、子どもの意見表明・参加を促進する取り組み(一自治体ごと400万円)と、子どもの権利擁護を促進する取り組み(一自治体ごと500万円)について、手を挙げた自治体に対して補助をする予算が計上されました。
この補助金を活用した施策を区で検討しているか確認をしたところ、「都の具体策が示されるのを待つ」とのことです。
この都の補助金は、【自治体に自由度を持たせ、自治体が施策展開でき、そこに補助をする】という主旨ですので、そもそも区の認識は誤りです。
質問時間に限りがあるため、追究はせず次の質問に進みましたが、区の後ろ向きな姿勢にガッカリしました。
区は、児童相談所を設置する自治体として「品川区立児童相談所設置基本方針」で、子どもの最善の利益と権利擁護を掲げています。
区として子どもの権利に関わる施策に積極的に取り組むよう引き続き求めていきます。
子どもの権利に関連して「保育の質」について質疑しました。
生活者ネットワークは継続して保育の質の確保、向上を求めてきました。
その結果、2018年には「のびしなプロフェッショナルスクール」(保育の質の向上に向けた研修)が開始され、2022年度予算では、巡回支援員が保育施設の安全確認に回る「定期訪問経費」が計上されました。
しかし、訪問方法などに注視が必要です。
また、区立保育園では、保育に必要な折り紙やトイレットペーパー等が足りず、保育士が購入して補充していると生活者ネットワークには声が届いています。
区は、そのような状況は無いとして、万が一、そのような状況があれば、区として不足品を補充する。または、近くの区立園にフォローしてもらうとのことでしたが、
生活者ネットワークが聞く現場の声と、区の把握する現場の状況に大きな差があるため、今後も調査していきます。
保育の質に関しては、こちらでも報告をしています。
【2】羽田新飛行ルート 渋谷区で起きた氷塊落下事故について
2022年3月13日15時半ごろ、渋谷区内のテニスコートに氷塊(ひょうかい)が落下しました。
(東京新聞 【独自】音がしたらコートに氷塊…「飛行機しかない」目撃者証言 羽田新ルート付近、国交省「断定できない」と調査終了)
生活者ネットワークは、原因が特定するまでは新ルートを使用しないよう区は国に強く求めるべきと主張しました。
そして、国交省が氷塊の見つかった地点が新飛行ルートから350メートル離れていることを理由に、「飛行機から落ちた可能性は極めて低い。」と主張していることや、落下した氷塊が溶けて無いことを理由に調査を終了したことについて、「区として国交省の説明や姿勢に納得しているのか?」と質問し、
①一般の市民が飛行機からの落下物であることを証明するのは困難であり、より専門的な情報と調査力を持つ、国と事業者が「落下物でないこと」を明確に証明できないのであれば落下物と認定すべき。
②区で同様のことが起きた場合に区は、区民の側に立ち国へ主張すべき。…と求めました。
区長は、近隣区で氷塊落下事故が起きてしまったこの事態になっても、羽田新飛行ルートについて明言しません。
自治体の首長として、区民の生活や命を守るという姿勢が見えず非常に残念です。
*最終本会議で羽田新飛行ルートに関する陳情に賛成討論を行いました。
こちらからご確認ください。
【3】小山3丁目・武蔵小山再開発を例に、区内各地で起きている再開発問題について
超高層化の再開発を区は進めています。
そこに住む地権者をはじめとした地域住民からは、「説明が不十分。地域住民の理解が進んでいない中で拙速に進めるべきでは無い。」との声が多数、区や議会、都市計画審議会にも寄せられています。
生活者ネットワークは以前から、まちづくり・再開発を進める時には地域住民への説明、理解が大前提であると共に、行政として、保育園や学校等のインフラのキャパを確認することが必要であると求めていますが、現在も改善はみられないまま再開発が進んでいます。
再開発では、容積率緩和を条件に公共施設を整備できます。
しかし、再開発事業者は容積率をめいっぱい緩和をしたいため、「地域住民が求める施設を設置するよりも、緩和率の良い施設を優先して設置しているのではないか?」と懸念します。
また、地域への説明について小山3丁目再開発では、地権者であり準備組合員である方にも、準備組合の総会資料や議事録、準備組合規約などが公開されない実態があります。
しかし区は、再開発準備組合に対して、「地域住民へ説明するよう助言している」、「規約等に基づき文書等の開示がされていると準備組合から聞いている」と、議会で報告。(2021-11-29建設委員会)
地域の実態と、区の主張に齟齬があります。
地権者にも適切な対応がされていない実態について、具体的事例を挙げて質疑しました。
適切な対応がされていないこの状況は、小山3丁目に限らず区内各地の再開発で起きているのではないかと危惧します。
区には、①区内全体の再開発事業の進め方について、一度立ち止まり、改善策を講じること。を求めました。
また、予算特別委員会の中でも感染症の影響から生活困窮世帯が増えたことが報告されました。区としてこの事態を真摯に受け止め、②この状況下で、多額の税金を投入し拙速に再開発や庁舎建て替えを進めべきではない。区民の理解は得られない。と主張しました。
最終本会議で、同僚の吉田ゆみこが「区内の再開発の問題」について討論をしました。
こちらからご確認ください。
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以上、長文になりましたが、総括質疑の報告です。
区議会HPの総括質疑動画も是非、ご視聴ください。