【保育の質の向上を目指し!】品川区内の私立認可保育園の保育従事職員給与支出などを一覧にしました。

品川・生活者ネットワークはこれまでも、保育園事業について待機児童解消と共に保育の質の確保が重要だと品川区へ求めています。

保育の質の確保には、保育士への処遇が大きく影響することを、昨年のHP(品川区の保育の質確保のために!保育従事者へ処遇改善を実現させよう!)でも報告をしています。

以下に添付する一覧は、東京都が公開している子育て情報サイト「こぽる」の「財務情報等の公表」と、
生活者ネットワークが、東京都と品川区に情報公開請求した「保育従事職員給与支出」の記載がある「財務情報等の公表」を基に、保育従事職員の人件費割合や平均年額を一覧にまとめたものです。

「財務情報等の公表」は、東京都のキャリアアップ補助金申請の要件として、事業者が東京都と品川区に提出しています。
つまり、行政は事業者に財務情報の提出を求めている立場です。事業者に支払われる補助金は市民の税金なのですから、目的に沿い有効に使われているのかを十分に確認を行う必要があります

「こぽる」で公開されている「財務情報等の公表」では、保育従事職員人数と、保育従事以外(園長など管理職等)の職員も含まれた人件費と、事業活動収入費から割り出された人件費割合のみが公表されており、
この情報だけでは保育に直接従事する人たちの人件費は分かりません。

事業者は、キャリアアップ補助金を受ける条件の一つである、「保育従事職員給与支出」の記載がある「財務情報等の公表」も併せて行政に提出しています。
「こぽる」の財務情報では公表されていないこの情報を得るには、東京都(社会福祉法人立)と品川区(社福立以外)にそれぞれ情報公開請求をする必要があります。

生活者ネットワークでは、東京都と区へ「保育従事職員給与支出」の記載がある「財務情報等の公表」を情報公開請求しました。
開示された「財務情報等の公表」では、「こぽる」で公表されている保育従事職員人数から「保育従事職員給与支出」を割りだした「保育従事職員人件費割合」が記載されています。

このご報告は、以上の手続きによって得た情報を基に、直接保育に従事する職員の給与に着目して表にまとめたものです。

表は、あくまで「目安」ですので、数字を見て気になった保育園があった場合には、上記にある都のHP「こぽる」から保育園を検索し、問い合わせをするなど確認をしてください。

保育の現場は、命を預かる大変重要な仕事です。

子どもが安心して過ごせる保育園は、本来、子どもが安心できるよういつも同じ保育者が子どもたちを迎え入れて、保護者と共に子ども一人一人の成長を見守れることが求められます。

しかし、現在は保育者不足などの理由によってそのようにはなっていません。

保育者不足にはさまざま原因があると思いますが、保育士の給与が他職種と比較して低いことは明白で、働き続けるためにも給与保障は必須です。
また、保育の質の確保のひとつの要件が保育士の処遇を良くすることであることも確かだと思います。

この一覧が、保育従事者の処遇について考えるきっかけとなれば幸いです。

保育従事者をはじめ、保護者や保育に関わる皆さんからのご意見、ご要望、現場の声を是非、お聞かせください。お待ちしております。

【表の見方】
◎この表の賃金は「平均」で算出しています。
例えば、1番右の列の「平均賃金」は、あくまで「平均」であり、一人一人の保育士、保育者の給与を表すものではありません。また、「保育従事職員数」には、非常勤など短時間勤務の職員(パート)も含まれています
それらの個々の条件は勘案せずに単純に「保育従事職員給与支出の総額」を「保育従事者職員数」で割ったものです。

◎適正な賃金については国の公定価格の考え方を前提としています。
しかし、生活者ネットワークは現在の公定価格の算出自体が必ずしも適正だとは考えていません。
国は、公定価格の8割を人件費に充てることが妥当と示していますが、8割を人件費に充てても後の2割で適切な保育園の運営ができる金額なのかどうかは、様々な視点からの検証が必要であり今後の課題です。
しかし、現時点では他に指標とすべき数字がないため、目安として公定価格を用いています。

◎公定価格について、この報告では、内閣府が2021年3月に通知を出した*「令和3年度における私立保育所の運営に要する費用について」の公定価格の数値を使いました。
通知では、全国を8つに分けた地域区分ごとの公定価格(基本分)の人件費(年額)を示しています。
その数値を前提に算定すると、特別区は通知の表にある「20/100 地域」に該当し、所長は556万円・主任保育士は522万円・保育士442万円・調理員等366万円と示されています。
しかし、以下の一覧(一番右)を見て頂くと分かるように、平均賃金は公定価格から大きくかけ離れている状況です。本来であれば、国の公定価格にプラスして都のキャリアアップ補助金が加算された額が年額として出てくるべきです。単純計算をすると平均賃金は442万円以上となると考えます。
(*内閣府の通知に、小規模保育・家庭的保育事業など地域型保育事業は対象となりません。)

◎「こぽる」で公開されている人件費割合と、情報公開から算出できる保育従事職員人件費割合との差が15%以上ある場合に、一覧の右から3列目で黄色のハイライトを目安として記しています。

◎一覧右から6個目の「事業活動収支に占める保育従事職員人件費割合」で、明らかに割合が低い保育園は、「財務情報等」を注視する判断の一つとしています。

◎「こぽる」には、「財務情報等の公表」のPDFと並んで、「モデル賃金等の公表」のPDFも掲載されています。「財務情報等の公表」同様に「モデル賃金等の公表」についても、都が、事業者に対し、補助金が賃金改善に確実に活用されるように、透明性の確保等を目的にキャリアアップ補助金を交付する一つの条件としています。
「モデル賃金」とは、東京都によれば、各施設が実情に応じた職層、経験年数等から賃金設定を記載しており、賞与・残業代・交通費は含めない各施設が設定した「基本給与金額」を掲載しています。
つまり、実際に支払われている給与額でなく、あくまで、各施設による目標給与額となります。
「モデル賃金等の公表」PDFには、「施設における保育士のモデル賃金」と、「施設における職員1人当り賃金月額」が示されています。

ここでは、「施設における職員1人当り賃金月額」がポイントです。
事業者が行政に提出する「職員別賃金改善明細」と「賃金改善確認書」が反映された金額が示されています。
「常勤職員」と「非常勤職員」「保育従事者以外」の各園の月額賃金(賞与等も含む)の実績が掲載されており、「財務情報等の公表」にある平均経験年数と、見比べることが重要です。

「施設における保育士のモデル賃金」は、上記に示した「モデル賃金」と同じです。
各施設による賃金設定の目安であり、実際に支払われている賃金とは異なります。東京都は、最低賃金を割った賃金設定がされていないかを確認するために「モデル賃金」の公表を求めているとのことです。

①2019年度 私立認可保育園(社福立以外)一覧

②2019年度 認証保育所

③2019年度 小規模・家庭的保育事業

④2018年度 私立認可保育園(社会福祉法人立)*現在、2019年度の資料を情報公開請求中です。資料が届き次第一覧にし公表します。

⑤2020年度 公設民営保育園