【参加報告】JR東海によるリニア中央新幹線 シールド堀進工事説明会が開催されました。*対象地域の地図を添付しています。

生活者ネットワークは、リニア中央新幹線の計画が示された当初から着工に反対し中止を求めています。リニア中央新幹線の問題点については、前回のHP(2021年6月7日更新)をお読みください。

リニア中央新幹線第一首都圏トンネル新設(北品川工区)
シールド掘進工事説明会(調査掘進等)

日時:2021年8月27日(金)14時~

        8月29日(日)18時~(受付17時40分~)
        9月1日(水)18時~(受付17時40分~)
会場:きゅりあん8階大ホール
説明内容:シールドトンネル工事(北品川非常口~等々力非常口)の概要、環境保全の取組みなど

8月27日の説明会に参加し、北品川工区からシールドマシンを掘進させるために「調査掘進」を始めるとの報告がありました。
調査掘進での確認結果を住民に説明した後、本格的な掘進をするとの説明でしたが、会場からは、「事実上の事業開始ではないか」と不安視する声があがりました。

今回の説明会についてもJR東海は、家屋調査対象の住民に説明会チラシ(以下、チラシ)をポスティングを行い説明会の周知を行ったとのことですが、
家屋調査範囲にあたる地域を私が歩き、お話を伺った際には「チラシは投かんされていない。説明会があることも知らない。」との声が多数きかれました。

また、説明会では品川区・大田区・世田谷区の住民しか質問ができず、(一人3問まで。再質問はできず。)
今回もメディアは入れませんでした。その理由は、「地元の意見を聞くため」とのことです。なぜ、メディアが入ると地元の意見が聞けないのか分かりません。
安全性を説明するのであれば、メディアにも公開が出来るはずです。

参加者からは、素朴な疑問から闊達な意見までさまざまな角度から質問がとびました。
質問に対するJR東海の回答を検証するために、質疑の様子も公開して欲しいと求めましたが、前回同様、「公開はしない」とのことです。

住民に寄りそわないJR東海の説明態度に対し、今回も会場からは不満の声が聞こえました。

質疑の様子をメモから一部を紹介します。(会場で聞き取ったメモを書き起こしてますことご承知ください。)

○8月27日説明会 質疑の一部○
Q.家屋調査は掘削後にもあるのか?
A.掘削後は行わない。建物に何かがあった時には行う。

Q.掘削後の家屋調査は「何かあった時にはやる」とのことだが、期限はあるのか?
A.工事が終わったあとはJR東海に連絡して欲しい。変化があるのであればやる。

Q.家屋調査は具体的にどのようなことが行われるのか?
A.外壁や、浴室

Q.HPなどを見られない方への最新情報の周知は。
A.工事事務所などに問い合わせがあれば説明する。資料については事務所に来てもらえれば渡すことは可能。

Q.ボーリング調査は200mに1本と聞いている。増やさないのか。
A.土の種類が変わらないため行わない。

Q.(リニアが通過するトンネルのほぼ真上に住んでいる)土地の価値が下がるのではないか?
A.影響はない。市場取引の中で決まるものである。

Q.土地の異常とは何㎜を想定しているのか。
A.10㎜の差が出ると人間として差を感じる…(明確な回答無)

Q.掘削後の調査は「一定期間」としているが、どの程度なのか。
A.目安は工事前後1週間。その後は人工衛星で時系列を追う。

Q.道路等に何か変化が起きた時の周知と、その際の自治体との連携は。
A.JR東海のHPや、地域の方へチラシや文書で伝える。緊急時には拡声器などを使い周知する。行政にも伝える。
行政の担当部署とは常日頃から情報交換をしている。

Q.井戸への影響は?
A.不透水層で水を通さない地盤で、地下水を通らない層。なので影響はない。

Q.資料(P35)で、「月曜から土曜の昼夜間」に工事を行うとあるが、具体的な時間は。
A.月曜から土曜の24時間。日曜日はシールドマシンのメンテナンスのため行わない。

Q.質疑で明らかとなった24時間工事について。住民への影響は考えていないのか。
A.振動が起きないようにする。

Q.工事で出た土はどこへ行くのか。
A.横浜の埠頭。新本牧ふ頭の埋め立てに活用。

Q.調査掘進は6月8日の説明会では示されなかった。事実上の掘進ではないのか。いつ決定したのか。
A.6月8日はやり方の説明だった。説明会後、JR東海で安全対策として調査掘進をしようと決定した。

Q.崖の上に自宅がある。工事の影響で崩れないか不安。
A.影響ない。

Q.水路はどうなるのか。
A.シールド工事は水を吸い込む工事ではない。外の水がシールド内に溢れることは無い。

Q.前回の説明や今回の説明でも(資料P12)調布市、東京外環道陥没事故での原因は「特殊な地盤」が原因だったと説明しているが、リニアでは「特殊な地盤が無い」となぜ言い切れるのか。
A.固結シルトだから。

Q.「特殊な地盤」の考え方、「東京外環道と同じような特殊な地盤が無い」のか、それとも「特殊な地盤」が無いのか。
A.「東京外環道と同じような特殊な地盤は無い」という意味。

 

前回6月8日のJR東海主催「シールドトンネルにおける安全性・安心等の取り組みについての説明会」資料はこちらからご確認ください。

この状況を受け、品川区民が「リニア中央新幹線大深度を心配する品川の会」を立ち上げました。
2021年9月23日(祝・木)14:00~16:00(開場13:30)に国際環境NGO FoE Japanと共に、緊急学習会を開催するとのことですのでお知らせします。詳細はこちら「緊急学習会 リニア大深度地下工事 陥没事故が心配!」をご覧ください。

品川区内の対象地域は以下になります。