羽田新飛行ルートに関する区民の声、請願・陳情審査は「採択」にならず!なぜ、反対理由も明確に示せないのか。
4月19日(月)に開催された建設委員会では、
2019年から現在まで賛否が棚ざらしとなっていた羽田新飛行ルートに関する請願・陳情と、今年新たに提出された陳情、あわせて16件について審議を行いました。
結果からお知らせすると、
品川ネット(田中 さやか)・共産党(のだて 稔史)・無所属(西本 たか子)の3名は、1件に対して趣旨採択を主張し、その他15件はすべてを採択を主張しました。
しかし、自民党(石田 秀男)、自民・無所属・子ども未来(大沢 真一)、公明党(若林 ひろき)、しながわ無所属クラブ(木村 けんご)の多数により、
羽田新飛行ルートの変更、撤回、延期、中止を求める請願陳情5件が、再び「継続審査」。
その他11件、国交省の説明会を求めるもの、区民投票や区民意見把握の機会を求めるもの、騒音測定装置の設置の拡充を求めるものは全て「不採択」となりました。
◎なぜ、内容の異なる請願・陳情が一括審議されてしまうのか◎
上記に記したように、16件の請願・陳情は、大きく4つに分けられた区民要望の声でした。
本来なら、主張の異なる4つの審議は分けて行われるべきである。と生活者ネットワークは主張しましたが
委員長(塚本 よしひろ)は、以下2点の理由から一括審議としました。
・羽田新飛行ルートに関することは、これまでの委員会でも一括で審議している。
・分けて審査することにより、質問の重複が起こり、会議時間が長時間になることが懸念される。
生活者ネットワークは、「それぞれの請願陳情の審査を深めるべき。一括審議することでかえって議論を混乱させる。」と訴えましたが、理解は得られませんでした。
「16本もの審査だから、一括審査することで短時間になる」との委員長の思惑は当たらず、3時間半にも及ぶ長時間審議となりました。
◎区民の声である陳情・請願を「先延ばし」と「否決」をする
自民党・自民党会派・公明党・しながわ無所属クラブの主張◎
請願・陳情は区民の声です。
判断理由を述べたうえで、賛否の態度を示すべきだと生活者ネットワークは考えますが、
自民党・自民党会派・公明党は、16件ある請願・陳情の中で「一度」だけ以下の意見を述べただけで、その他15件に関しては、判断理由を述べずに「継続」「不採択」を主張しました。
しながわ無所属クラブについては、全てにおいて判断理由を述べず、態度だけを示しました。
請願・陳情に対し、「継続」「不採択」を主張した会派の主張は以下になります。
○自民党(石田 秀男)
国会議員や国交省に公明党と共に直接要望してきている。その結果、固定化回避検討会(以下、検討会)ができた。
千葉県上空のこと、コロナ禍の状況のことも新経路が担っていると理解する。騒音のことも適正にやっている。区民投票条例についてはそのときに態度を示している。
○公明党(若林 ひろき)
16件の請願・陳情は、中止撤回関係・説明会開催関係・区民投票関係の大きく3つにカテゴリーされていると思う。
これまで区議会決議したように、品川上空を飛行する新飛行ルートを回避する、固定化回避することを確認して、行動を貫いていきたい。区には、しっかりと国に対して意見・物を申していく・確認していくことを続けて欲しい。
昨年、自民党と国交省へいき、大臣に要望書を申し入れた。その後、検討会が開かれた。
今の質疑の中で、断定的に何かもうこの3回目の検討会を終えて、今日の資料を見て、また、いろいろな専門家の方、どういう専門家の方かは、私、当然存じ上げませんが、いわゆる専門家の方が、今少なくともこの中で3名出てきて、いずれも議員の見解も含めて、固定化は回避できないんだと。固定化回避検討委員会だと、こういうふうに断言されている委員もいらっしゃいましたけれども、私は、この検討会を立ち上げていただきたい、固定化を回避していただきたい、区議会の決議は品川区の上空を飛ばさないようにと、こういうことでしっかりと直接国に対して物申しておりますので、私は今、あえて言えば、何か断定的にするようなタイミングでも当然ありませんし、正に検討中のところ、しっかりと今後のこの検討会の推移を見守っていく、それが議会の立場ではないか、順番ではないか、それが具体的になったときに、また議論をするということは、これは当然あると思いますけれども、今はしっかりと注視していくということだと思います。
(*太字部分に関しては、要約せずに議事録のまま載せております。)
○自民・無所属・子ども未来(大沢 真一)
16の請願・陳情の判断基準になるものは、2020年5月20日に区が国へ提出した「羽田空港の機能強化に関する要望について」。理事者はこれまでの議論で、これは国の事業だと言葉にしている。
国の事業の中で、区民の安心安全を守るために、区は、大きな岩盤にぶつかっているやに私は印象を受けているところであります。なかなか国策というものを動かすということは容易ではないと思いますが、先ほど来の要望についてをよりどころにしながらやっていただいているということは、十分、私、理解をしているところであります。
(*太字部分に関しては、要約せずに議事録のまま載せております。)
○しながわ無所属クラブ(木村 けんご)
*意見を述べず、態度だけを示していました。
また、しながわ無所属クラブは、
区議会決議や区としての意見を国へ伝えることを求めた陳情(2021年陳情11号)と、区民投票条例が否決されたため、区独自の方法で区民が賛否を示せる機会を設けるよう区議会から区へ求める陳情(2021年陳情13号)について「継続」を主張しましたが、意見が割れたために態度を求められ、「不採択」を主張しました。
ここで「採択」が主張されれば「賛成多数」となったため、非常に残念でなりません。
区民の請願陳情に、賛否はあると思いますが、理由を述べずに否決する各会派の姿勢に、区民は納得できないと思います。
区民に付託された議員であるならば、区民の声に真摯に向き合い、判断理由を述べるべきだと私は考えます。
(田中 さやか)