新学期開始に向けて、分散登校や短縮授業などを含めた感染症対策を求める要望書を提出しました。
新型コロナウイルス感染症の感染状況が悪化し、医療現場の深刻な逼迫が日々報じられています。
品川区内でも感染者は増加し、自宅療養者数も増加しています。
品川区教育委員会は、感染症予防ガイドラインに沿った感染症対策を行いながら、通常通り区立学校の新学期を開始するとのことです。
第5波といわれている今回は、これまでの感染状況とは大きく異なり、子どもの感染リスクが指摘され重症化したケースも報告されています。
また、感染経路がわかっている場合では「家庭内感染」が最も多く、新学期が始まれば感染爆発が起こるのではないかと危惧します。
この状況下での新学期開始には、大きな不安を抱く家庭も多いのではないでしょうか。
品川・生活者ネットワークは8月27日、品川区教育長へ、学校規模等に応じて分散登校や短縮授業などの配慮を行うことを検討し、保健所と連携しながら各学校が必要に応じた具体的な対策を講じられるよう、要望書を提出しました。
2021年8月27日
品川区教育長
中島 豊 様
品川・生活者ネットワーク
幹事長 吉田 ゆみこ
政調会長 田中 さやか
新学期開始にあたり分散登校や短縮授業などを含めた感染症対策を求める要望書
新型コロナウイルス感染症の感染状況が悪化し、医療現場の深刻な逼迫が日々報じられています。品川区内でも感染者は増加し、8月22日現在、自宅療養者数は1245人となっています。
このような中で品川区教育委員会は、感染症予防ガイドラインに沿った感染症対策を行いながら通常通りに新学期を開始するとのことです。
第5波と言われている今回は、これまでの感染状況とは大きく異なり子どもの感染リスクが指摘され、重症化したケースも報告されています。子どもの感染症が専門で長崎大学病院の森内浩幸教授は、従来は少なかった子どもから大人への感染や、子どもどうしの感染も見られるようになっているといいます。
また、感染経路が分かっている場合では「家庭内感染」が最も多く、通常通りの新学期が開始された場合には感染爆発が起こるのではないかと生活者ネットワークは危惧します。
新型コロナウイルス感染症対策を議論する政府の「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長も、新学期の開始について「新たに学校が始まると、一度感染スピードが鈍化してもまた感染拡大があり、医療逼迫もあり得る」と懸念を示しています。
文科省が8月20日に出した通知、「小学校、中学校及び高等学校等における新学期に向けた新型コロナウイルス感染症対策の徹底等について」では、学校は子どもにとってのセーフティーネットとしての福祉的役割を担っていることを挙げ、一斉休校については避けるべきと述べています。
生活者ネットワークも文科省と同様の理由で一斉休校には賛同しません。しかし、この状況下での通常通りの新学期開始には大きな不安を抱きます。
同通知では、設置者は、学校の全部又は一部の臨時休業を行う必要性について、保健所の調査や学校医の助言等を踏まえて検討し判断することを求めています。
現に他自治体では、夏休みの延長や分散登校などの対策を決定している事例もあります。
また、同通知と、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~学校の新しい生活様式~」では、感染症対策として感染レベル3の地域では身体的距離の確保を「できるだけ2m程度」または「最低でも1m」の距離を取ることを求めています。
しかし、区内学校では児童・生徒数が多く、教室自体が足りず教室内で1mの距離を取ることは不可能な学校が複数存在します。早急な対応が求められます。
品川区教育委員会は、学校規模等に応じて分散登校や短縮授業などの配慮を行うことを検討し、保健所と連携しながら各学校が必要に応じた具体的な対策を講じられるよう、下記の通り要望いたします。
記
1.児童生徒が感染症に罹るリスクを考慮し、品川区教育委員会は、分散登校や短縮授業などの感染拡大防止対策を各学校が具体的に講じることができるよう各学校へ通達すること。