私は”排除”されました。~排除と差別、増税を生むJアラート訓練。メディアは”大本営発表”を繰り返さず”放送法”の本旨に立ち返れ~

タイトルにあるように、私はJアラート訓練で”排除”されました。
また、訓練実施現場で「訓練実施を認めない!」と声を挙げて抗議していた
100人にのぼる市民も、訓練状況を放送したメディアによって”いなかった”ことにされてしまいました。

このような状況は異常であること。
私は強く訴えたいです。

私が立っていた場所は、画像にある公衆電話の横でした。抗議する私の姿を映像に取らせないことが都職員と警備会社の目的だったことが映像を見て分かりました。

【「道路使用許可申請をしている」は、排除の根拠にはならない】
私が最初に立っていた場所は、東京都などの訓練を実施する側にとって”不都合な場所”であったことが、のちに放送された映像から明らかになりました。

排除される前、東京都の職員とこの日のために雇われた警備員は、「道路使用許可をとっていること」を根拠に、私に移動を求めてきました。
しかし、道路使用許可は、申請者の申し出に警察署長が許可をしただけのものであり、私を排除する根拠にはなりえません。
(道路交通法77条 道路の使用の許可)

そもそも、私たち生活者ネットワークと市民は、
Jアラート訓練でどこの道路区間を制限するのかを安全性の確保からも明らかにするべきだと、何度も区に問い合わせをしていました。
*区への申入れとヒアリングの様子はこちらからご確認ください。
2月4日国民保護共同訓練(Jアラート訓練)の中止と、経緯の説明を求める申し入れをおこないました~戦争準備を認めない②~

しかし、区は、頑なに訓練実施区間について答えませんでした。
また、当該地域でも訓練区間を周知するチラシや看板は見当たりませんでした。

そのように使用道路区間を伏せていた中で、
訓練当日になり突如、歩行や通行を妨げる規制を作り、そこを通過する市民を誘導し、立ち止まる市民に対しては排除する行為は到底、認められません。

【Jアラート訓練の目的は、軍事費の増額と、市民同士の分断】
Jアラート訓練実施には、区内外の多くの市民が危機感を抱き現地に集まり声を挙げました。
訓練までの期間、市民、団体が繋がり情報共有することができたのは成果です。

私は小学生の時に読んだ「はだしのゲン」が衝撃的で夜も寝れないほどでした。
心の底から戦争を怖いと思い、「絶対に戦争をしたくない!」という確固たる思いが芽生えました。それが現在の活動に繋がっています。

「はだしのゲン」に描かれていた「竹やり訓練・バケツリレー」が、「Jアラート訓練」と姿を変え、現代に再現されてしまった今、戦争が起きる危険性を強く感じ、多くの人と繋がり共に声を挙げる必要があると判断しました。

ゲンのお父さんは、誰もが認め合える社会を目指し、人権尊重や、反戦を訴えていましたが、日本社会の中でつくられてしまった”戦争への空気感”により、「非国民」等と呼ばれ排除・差別をされました。

おかしいことを、「おかしい!」と言えなくなることは、すでに戦争が始まっていると捉え危機感を強く抱くべきです。
また、そのような状況に沈黙をせずに声を挙げることが戦争回避には絶対に必要なことです。

Jアラート訓練後、報道によると日米首脳会談で石破総理は151兆円で武器を購入することを約束したとのことです。
区内Jアラート訓練の実施が、軍事費増額を仕方ないとする国民意識の植え付けに利用されていないか不安が過ります。

武器を持つことじたいが憲法違反であることを強く訴えていかなければならないですし、
何よりもそのような多額のお金があるのであれば、インフラ整備、第一産業の拡充、子ども若者支援への投資が日本には不可欠だと私は考えます。

【戦争=外交の失敗。戦争を回避できない政府なら、政権から降りるべき】
戦争状態に陥ることを想定した訓練は、つまりは政府が外交に失敗することを想定した訓練ということです。
戦争を回避する手腕を発揮する自信が無いのであれば、現政権は今すぐに退陣すべきです。

戦争の準備よりも、戦争をしないために努力をする事が必要です。
幼少期から、歴史を学び、人権を知り、対話を学ぶ機会を設けることがJアラート訓練よりもはるかに国益に繋がります。

*訓練時の私のスピーチを録画してくれていた同志。字幕を付けて提供してくれました。ありがとうございます!

【公務員は「憲法を尊重し擁護する義務」を負う。
本来であれば、このような訓練自体を自治体も公務員も認めてはならない。】
東京都や品川区、都営地下鉄や教育委員会等
Jアラート訓練に関係する各所に問い合わせをする中で、
「本当は、このような訓練はしたくない。」
「万が一、ミサイルが落下したとしても、この訓練が活かされるとは思えない。」
そのように考えているのだろうと感じる返答がいくつかありました。

上長の指示に従わざるを得ない状況が、憲法で保障されている「内心の自由」を奪っていることや、自分の意思とは反した行動を強いられていること事態が、”戦争の始まり”であることを自覚すべきです。そして、自治体も、公務員も声を挙げるべきです。

公務員は日本国憲法のもとでは、 日本国憲法第15条 第2項に基づき、 ”国民全体への奉仕者であって、一部への奉仕者ではない”とされています。
また、 第99条 (第10章 最高法規)に基づき、「憲法を尊重し擁護する義務」を負うため、本来であれば戦争を想定した訓練は、平和憲法の基、容認してはならないはずです。

第2次世界大戦での反省からつくられた日本国憲法。
世界に向けて”戦争を止めよう”と訴えている日本国憲法が、なし崩しに壊されていく状況は看過できません。

【戦争に突き進む士気を高めた”大本営発表”の反省から生まれた”放送法”。Jアラート訓練では、抗議する市民の声は”無いもの”とされた。】
戦時中、戦局について日本国民に誤った情報を流し続けたその反省から、放送法は制定されました。
日本国憲法の民主主義に合うように、表現の自由を確保し、自由に政治に対する批判を述べることができる社会を目指し制定されたのです。

Jアラート訓練の訓練参加者は15名程度。
抗議の声を挙げていた市民はその数を大きく上回っていましたが、その存在は全く無いものとして放映がされました
メディアは放送法の原則・目的・成り立ちを振り返り、市民のために正しく公正な情報提供をすべきです。

報道された歩道は、十字路の一つの歩道です。その他の歩道では多くの市民が抗議の声を挙げていました。

国家三権である司法、立法、行政に次ぐ権力、「第四の権力」といわれるマスメディア・報道機関は、”大本営発表”の歴史を繰り返し、市民を欺き戦争に突き進ませるようなことを2度とすべきではありません。

【一刻を争う緊急車両の通過。適切な対応がされたとは思えない。】
封鎖した国道に直面する形で、訓練中に緊急車両が通りかかりました。
それこそ緊急事態であり、迅速な誘導や対応が求められますが、訓練実施中だったためか
そのような対応がされたようには私には見えませんでした。


むしろ、Jアラート訓練が緊急車両の通行を妨げてしまったのではないかと危惧するほどでした。
本当の緊急事態に対応できないJアラート訓練とはなんなのでしょうか。
緊急車両に乗車していた方が無事であることを願うばかりです。戦争をさせないために、私たちはこれからも政府を監視し、声を挙げ行動を続けていきます。
憲法12条不断の努力。
私たちが持つ権利と自由を奪われないように、国家を静観することやお任せすることは絶対にしない。政府に、自由や権利が侵害されないような努力続けていきましょう!!
【画像説明】
訓練当日を迎えるまでの期間、武蔵小山駅前や戸越銀座商店街で訓練中止をうったえる街宣を行いました。急な呼びかけに駆け付けてくれた市民連合しながわと、前区議いながき孝子。

戸越銀座商店街で「ひとり街宣」をしていると、小学生の子たちに「Jアラート訓練ってなに?」と聞かれ、「はだしのゲン」を例に説明をしたところ、すぐに理解した様子でした。
また、戦争をしないために必要なことをマイクで話していると、中国の方から「あなたみたいな日本人がいて良かった!」と、とてもありがたいお声掛けをいただきました。

市民同士が繋がり、対話をすすめることが平和を繋ぎます。

戸越銀座商店街での訓練の後は、しながわ中央公園での訓練がありました。
ここでの訓練の題材は、落下したミサイルから放出された物質の除染作業とのことでしたが、東京電力福島第一原発事故で飛散した放射性物質を除染できていない状況で、”除染訓練”を実施する神経が私にはまったく理解ができません。

公園は封鎖されて訓練が実施されました。
公園の前には、中央公園で外遊びをしようとしていた保育園の子どもたちが何度も通りかかりました。
自衛隊の装甲車をみて、子どもたちは何を感じたのでしょうか。
装甲車が日常の風景に溶け込む未来が来ないように活動を続けていきます。