都知事選から見えた日本社会の歪み。私たちが戦う相手は?~白い服の政治的意味・教科書採択・羽田新飛行ルート問題~その1
2024年7月20日(土)
品川・生活者ネットワークの現職区議吉田ゆみこと、前区議いながき孝子、田中さやかで区政報告遊説を行いました。
私が街頭で話した内容などをお知らせします。
【都知事選後から止まない”蓮舫バッシング”に、日本社会の歪みをみる。】
今回の都知事選は、選挙ポスター掲示板ジャックをはじめ異常続きで、都民として恥ずかしい思いをしました。
■報道の異常性
選挙期間中にメディアが都知事選挙を扱わず、2024年11月に行われるアメリカの大統領選挙を報じていました。放送法第4条二 “政治的に公平であること。”放送法を過大解釈し、慎重になりすぎるばかりに”報道しない選択”をとっているのでしょうか?それとも、他に思惑・目的があるのか??と、勘ぐってしまうほど都知事選挙の報道がありませんでした。
本来であれば、小池都知事の任期中の政策評価が報道されるべきでした。さらには候補者である現職都知事の経歴詐称で刑事告発されている問題や、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会から、「人権に悪影響を及ぼす可能性がある」とする報告書が公表された神宮外苑再開発問題。公務員の地位利用による選挙運動を行ったとする公職選挙法違反などの小池百合子氏の疑惑を明らかにすべきところですが、現在でも、メディアは口を閉ざしています。
一方で、「都知事になったら、虐殺追悼式典への追悼文を復活する。」「差別分断をやめよう」と主張し、これまで政治の目が向けられてこなかった、将来への不安を抱える子ども・若者を中心に、”すべての人がその人らしく生きられるように、東京都から変えていこう!”と訴え、市民の生活の向上を目指し都知事選に挑戦し、市民の”ひとり街宣”という活動に繋げた蓮舫さんに対しては、都知事選が終わって約2週間経つ現在でも、政策のことでは無い、国籍や容姿、メディアにより植え付けられたイメージによる誹謗中傷の報道等が続いている異常な状況です。
私はこの状況をみて、私たちが戦っている相手は、大きなお金や利権が動く大手広告代理店、大企業、宗教などの”大きな壁”なのだなと改めて痛感しているところです。国家三権である司法、立法、行政に次ぐ権力、「第四の権力」といわれるマスメディア・報道機関。放送法の原則・目的・成り立ちを忘れ、市民のために正しく公正な情報提供をする機能を停止させたかのようです。
市民に大きな影響を与えるメディアは、”放送法が制定された理由”に立ち返り、現在の姿勢を正して欲しいと強く求めます。(戦前・戦中のテレビ放送は、戦局について日本国民に誤った情報を流していた。*大本営発表。その反省から、日本国憲法の民主主義に合うように、表現の自由を確保し、自由に政治に対する批判を述べることができる社会を目指し制定された。)
今回の選挙では大きなお金が使われ、戦略的に市民が誘導されたのではないか?と推測してしまうほどに、ある候補者のSNSや動画は大量に拡散されました。この現象に市民の支持が左右される様子は、今後、起こりうる憲法改悪のための「国民投票」の予行練習第2弾(第1弾は大阪都構想)だったのではないか?とも感じるほどでした。
【白いジャケットの意味】
上記に示したように、蓮舫さんに対しては政策には一切触れず、国籍・容姿などに対する「誹謗中傷」が続いています。そのなかでも週間AERAdot.の寄稿記事での蓮舫氏の”白いジャケット”に絡めた記事については、女性議員が白いジャケットを羽織る理由や政治的な意味に触れずに批判・誹謗中傷しています。加えて、蓮舫氏のプライベートについても常識を欠いた偏った言及がされているその記事は、現在も公開されています。朝日新聞には多くの批判の声が寄せられているところです。
1913年、約110年前に米国の女性参政権を得るために当時の女性たちが白い服で統一し、パレードをおこない女性の権利を獲得しました。そのことから、”女性の政治参加の象徴”として、白のジャケットは着用されています。
最近では、2017年にアメリカの女性国会議員たちが、女性の権利拡大に後ろ向きなトランプ大統領に対し白ジャケットを着て「対抗」しました。2021年には日本で、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言、組織委員会の女性理事らが、委員会の場で”発言しない(できない?)”ことに対して、「わきまえておられる」と称えたことに対し、私たちは黙らないと、「わきまえない女」がSNSでハッシュタグで広がり話題となりました。この時も、森氏に抗議するために野党議員約20人が白いジャケット姿で国会に出席しています。
白いジャケットには歴史と意味があり、”女性の参政権を象徴する白い服を着る”ことは、女性たちに”結束”のメッセージを与え、苦労して獲得した権利を手放さないという宣言でもあります。
生活者ネットワークは、”わきまえない女の集まり”であり、私も、生活者ネットワークの仲間たちも、これからも黙ることはありません。
蓮舫さんへのバッシングをみて、ますますこれからも「おかしい!」と思ったことに声を上げ続け、主張していく必要性を感じています。絶対に負けません。
品川・生活者ネットワークが区政報告遊説をした翌日には、新宿で”おんなたちは黙らないよ!with R フェミブリッジ緊急企画!蓮舫さんをひとりにしない”が開催され、動画が公開されています。この時のテーマカラーも「白」です。皆さん是非、ご視聴ください。
田中さやか
(その2に続きます。)