【各議員の賛否掲載】羽田新飛行ルートの影響について、航路下の子どもを含む住民を対象に実態調査(アンケート)と結果公表を求める陳情に賛成討論しました。
2月22日の建設委員会で羽田新飛行ルートに関する請願・陳情が審査されました。
2019年から「継続審査」となっていた請願・陳情と、最近、提出されたもの全て併せた11件が一括審査された中で、唯一、反対多数となり「不採択」となった陳情第5号「羽田新飛行経路下の子どもを含む住民を対象とした日常生活への影響の実態調査(アンケート)と調査結果の公表を求める陳情」に賛成討論をしました。
陳情の賛否の結果は以下になります。
◎陳情に賛成をした議員◎(*50音順)
安藤たい作 石田ちひろ おくの晋治 くにば雄大 須貝行宏 鈴木ひろ子 田中さやか
なかつか亮 西本たか子 のだて稔史 藤原正則 松本ときひろ 吉田ゆみこ(13名)
×陳情に反対をした議員×
あくつ広王 石田秀男 大倉たかひろ 木村けんご 小芝新 こんの孝子 鈴木博 鈴木真澄
せお麻里 芹澤裕次郎 高橋しんじ 高橋伸明 たけうち忍 塚本よしひろ 新妻さえ子
つる伸一郎 西村直子 松澤和昌 湯澤一貴 横山ゆかり 若林ひろき 渡辺裕一 渡部茂(23名)
…議長:本多健信
反対をした議員の中には、私、田中さやかと同様に、子育て中の保護者が多数います。
賛成討論の中でも示していますが、子どもたちは現在、羽田新ルートの影響を訴える先が、保護者や教員など、身近な大人に限定され、その先に繋がりづらい状況となっているのが重大な課題です。
その、課題解決に向けた一つが実態調査でした。
しかし、本陳情が反対多数となり、品川区議会として、子どもたちの声を聞き取る姿勢に立つことができなかった。この結果は、子どもたちに顔向けができない本当に苦しい結果です。
私、田中さやかは、保護者の一人としても、これからも引き続き子どもたちの環境に悪影響を及ぼしている羽田新飛行ルートの即時撤回を訴え続けます。
以下、賛成討論を添付します。
品川・生活者ネットワークを代表し、陳情第5号「羽田新飛行経路下の子どもを含む住民を対象とした日常生活への影響の実態調査(アンケート)と調査結果の公表を求める陳情」に賛成の立場で討論をします。
本陳情は、2本ある羽田新経路下に居住する子どもを含む住民を対象に、飛行機が飛ぶことによって、日常生活に及ぼす影響について、区が主体となり、アンケートで実態調査を行い、その結果を広く公表してほしい。と求めるものです。
新ルートが実施され約2年が経過しました。
新型コロナウイルス感染症の影響による減便から、従来予定よりも少ない便数での飛行となりましたが、それでも、静かだった空が突如、騒音に襲われるようになったことには変わりません。
区や議会には、騒音によるストレスで体調不良をきたしているという声や、迫りくる機体の大きさに恐れる声などが多数、寄せられています。
そして、区民が大きな不安として懸念していた落下物事故が、現実に氷塊落下事故として近隣区である渋谷区で起こりました。
品川区でも起こる可能性は十分にあります。この事態に、区民の不安はさらに増している状況です。
本陳情が審査された2月22日の建設委員会で区は、「被害の実態等、アンケートを行う必要性があれば、事業主体である国が行うべき」また、「固定化回避についてルート下19区の中で品川区のみが求め、固定化回避検討会が立ち上がった」と答弁。
さらに「区として、地方分権、地方自治を行いながら国に声を届けている」と主張するやりとりもありました。
つまり、区民への被害実態がうかがえるために、「固定化回避検討会の立ち上げを求めて実現した。」としながら、被害実態調査の必要性は、「区としては、認めない。なので、やるなら国がすべきだ。」と主張しているようなもので、矛盾しています。
羽田新飛行ルートの影響を一番に受けている品川区です。
区民生活に航空機の飛行ルートがどのような影響を及ぼしているのか、区民の声を聞き、政策判断を行う行為は、品川区が当然すべきことであると、生活者ネットワークは改めて主張します。
一方で委員からは、「23区中の過半数の区の上空で飛ぶのだから、是非23区の実態調査を国にやっていただきたい」との意見があり、採決では、「国の事業に対し、区費を投じるのはおかしい。なので、不採択」と主張する意見がありましたが、総じて建設委員会の質疑では、実態調査を行うこと、そのものに対して否定する発言は無かったように読み取れます。
「国の事業に対し、区費を投じるのはおかしい。」との意見がありましたが、港区議会では、本陳情と同趣旨の請願が昨年、全会一致で採択され、その後、港区内在住・在勤・在学者の方を対象に、1か月間の意見募集が行われ、先日3月18日に港区長から国交省へ要請書が手渡されました。
これこそが、地方分権、地方自治の政治では無いでしょうか。
それとも、国費を当てにしないと品川区にはお金が無い。とでもいうのでしょうか?
本議会中の予算特別委員会初日の補正予算では、余剰金ともいえる30億円を、区庁舎建て替え基金として一気に積み立てる。という驚きの決算をする品川区において、財源の問題ではない。ということは明らかです。
また、2017年に区長はタウンミーティングで、「羽田新飛行ルートは品川区にとってデメリットでしかない」と発言しています。
そのデメリットは具体的にどのようなことなのか、ということを知るための実態調査は、区長が思うデメリットを表面化できるもので、品川区のリスク管理には重要である。と、生活者ネットワークは考えます。
そして、何よりこの陳情にもありますが、子どもたちの声を聞いてほしいという陳情者の思いに強く賛同します。
生活者ネットワークは、社会の構成員の一員として、子どもの意見表明権を大事にすべきで、保障するよう求めてきました。
羽田新飛行ルートは、子どもたちの日常生活に大きな影響を及ぼしていますが、現在、子どもがその影響を訴える先が、保護者や教員など、身近な大人に限定され、その先に繋がりづらい状況となっているのが重大な課題です。
生活者ネットワークは、子どもたちへの心身への影響についても大変危惧をしています。
子どもたちへの影響については早急に調査すべきと強く主張します。
以上の理由により、改めて、陳情第5号に賛成することを、皆さまに呼びかけて、品川・生活者ネットワークの賛成討論とします。