区民委員会(7/27)報告その② 非核友好都市交流を活かした「非核平和条例」を

 

田中さやか(ウサギの着ぐる)も賛同者として参加する、戦争をさせない1000人委員会南部地域のメンバーの呼びかけで区内で行われたパレード。賛同者169名、当日参加は450名。

727日の「区民委員会」から、その②として、今回は、特に私が主眼とした「(仮称)品川区非核平和都市条例」にかかる質疑に絞って報告したいと思います。折しも国会では、立憲主義・国民主権・議会制民主主義に悖る違憲法案審議(果たして審議といえるかも疑問ですが…)が繰り広げられており、自公与党は、一日3億円の費用がかかるともいわれる史上最長の延長国会のもと、戦争法案を成立させたい構えですね。

さて、話を品川区議会区民員会に戻します。前回記事「区民委員会報告その①」でも触れましたが、私は727日の区民委員会「所管事務調査」にかかる事案で、「品川区における姉妹都市・友好都市交流の状況」を報告した資料に、ニュージーランド・オークランド市と品川区の関係が「非核平和都市宣言」と書かれていることに注目。区独自の平和条例を制定するきっかけをつくりたいと、質問を組み立てることにしたのでした。折しも品川区は戦後70年の今年が「非核平和都市宣言30周年」と重なることになりました。そこで、いわゆる非核平和都市宣言に留まらず「非核平和都市条例」の制定へと歩を進めるべくオークランド市から学ぶことができるのではないか、「質問、提案、要望はここに絞ろう!」と意気込んで自前の資料を準備しました。

まずは、国内ですでに非核平和条例を制定している自治体を調べてみました。現行憲法に「国家非常大権が書き込まれない以上は、自治体はいくらでも独自の安全保障政策をとり得る」ことは、地方自治の現場にあたっての大前提ですから、まずこの先行事例から話を起こそうと思いました。ざっと調べても、すでに、

◆非核条例を制定している自治体は、

・北海道苫小牧市苫小牧市非核平和都市条例

・東京都中野区憲法擁護・非核都市中野区条例

・神奈川県藤沢市藤沢市核兵器廃絶平和推進の基本に関する条例

◆非核平和都市条例を制定している自治体は

・北海道・苫小牧市 2002.4.1施行

・東京・中野区 1990.4.1施行

・東京・三鷹市 1992.3.27施行(三鷹市における平和施策の推進に関する条例)

・神奈川・藤沢市 1995.3.30制定

・千葉・佐倉市 1995.8.15施行(佐倉市平和行政の基本に関する条例)

・沖縄・屋久島町 2000.3.27可決(放射性廃棄物等の持込み及び原子力関連施設の立地拒否に関する条例)

というように、地域で、まちづくりの主体は市民、政治の主役は市民ということが共有できれば、明日にでも条例化は可能です。

さらに、品川区都友好都市関係にあるオークランド市があるニュージーランドでは、国家の立法により自ら非核平和地帯を宣言。その結果、ニュージーランドは西側諸国としては初めて非核地帯を法制化した国家となり、依然世界が放棄し得ない戦争の世紀の負の遺産「核抑止政策」を実質的に放棄した国となりました。非核化を求める最初の動きは1950年代後半に遡ります。米国と英国が太平洋地域や豪州の大気圏で行った核実験の影響で、ニュージーランド女性の母乳からストロンチウム90が検出された頃から始まったといいます。仏国のムルロア環礁地下核実験に抗議する女性たちに支えられた「非核化市民運動」はやがてニュージーランド労働党を動かし、仏国政府が送り込んだテロリストがグリーンピースの反核船「虹の戦士号」をオークランドで爆破したのと同じ1985年、ロンギ首相率いる同党政権は1985年に、南太平洋非核地帯(ラロトンガ)条約に調印。こうした国際条約の取り交しや進展があって、86年のチェルノブイリ原発事故の結果、核兵器や原子力に反対する世論が高まることに。同じくロンギ政権は87年、「ニュージーランド非核法」を可決させて米国の「核の傘」から抜け出したのです。この動きが引き金となって「南半球非核地帯」構想が進展したことはいうまでもなく、また法制に至る市民運動が非核化に果たした役割もきちんと共有したいし、さらには近い将来、被爆国・日本こそが「核の傘」から抜け出す、現政権の説く抑止力とは真逆の人間の安全保障への可能性などにも言及したい、そのためにもできる自治体から「非核平和都市条例」作りの緒を提案したい…。私の委員会に向けての準備の一部は、こうしたことでした

そして当日。「条例づくりや非核平和についてしっかり提案するぞ!」と、高揚しながら区民委員会へ。が、この日は前項の「報告事項」に質疑が集中。予想外の展開に「質疑の時間が回ってくるだろうか」という事態に…。報告事項で大幅に時間がずれ込むことになった委員会でようやく主眼の質疑に立ちましたが、はなから「時間を巻け!!」との見えない威圧、そのプレッシャーに負け、最低限のことにとどまった質問のまま終わってしまったようにいま思い起こしています…。

☑区が進めるホームステイ事業では、滞在時にニュージーランド・オークランド市ならではの「非核平和」についての学びの場は用意されているか?

☑ニュージーランドは非核地帯、1987年に非核法を制定した国。都市間交流の中で、品川区も宣言から踏み出しお、非核平和条例の制定出へと向かうべく学の交流をするのはいかが?

といった提案内容を発したところまで。

ここでも、私の質問に、「総務(委員会)じゃないんだよなー」など議事録には載らない声が…。

けれどそんな言葉よりも、制限時間が迫るような中にあって焦ってしまったこと。提案の一部を投げたに留まり、論を展開する流れをつかめないままに質疑を終わらせてしまった私自身に対してショックでショックで…。しかし、「ホームステイに行く前や、行った先でももちろん『非核平和』や『歴史』を子どもたちは学んでいます」との答弁に少し安心し、若者や市民がつくる「平和委員会」や「憲法サロン」の取り組みなども含め、次につなげる手がかりとしようと今は考えています。

「焦ったりプレッシャーに負けたら、よい質問・的確な質問はできないということを今回も学ぶことになった区民委員会。私、田中さやかが掲げている憲法平和主義~安心・共生・自治あるまちづくりにつなげられるテーマだったのですが、入口の質疑に終わってしまう形に。本当に残念で悔しい思い。この経験を活かし、次も、何度でも頑張りたい、平和・人権・自由を希求する生活者・市民に必要とされる議員、政策転換を実体化していく議員になりたいと思っています。田中さやかメールフォームをご活用いただき、ご意見をお寄せください。(たなか・さやか)

※湯浅一郎さん(NPO法人ピースデポ副代表)を招いての学習会の模様は⇒

https://tanakasayaka.seikatsusha.me/blog/2015/07/08/699/

※南半球の非核兵器地帯については、上記学習会の動画も配信しています(品川ネットHPへ)⇒

http://shinagawa.seikatsusha.me/

NPOピースデポのHPはこちらから参照ください⇒

http://www.peacedepot.org/