林試の森公園 6月25日「小山台住宅等跡地における福祉施設等整備計画説明会」報告
2022年6月25日(土)品川区の障がい者・高齢者・子どもに関する担当課と、防災課が主催した「小山台住宅等跡地における福祉施設等整備計画説明会」が開催されました。
2019年に東京都と品川区が開催した説明会からすでに3年経過しており、ようやく開催された本説明会では、近隣住民から多くの疑問の声や要望があがりました。
今回の説明会の資料はこちらから確認できます。
◎議事録の公開は検討中…。公開されるよう求めています。
説明会で区は、記録のために音声録音をしていました。
説明会に参加できなかった地域住民や関心を寄せている方たちにとって、説明会で区からどのような説明があり、どのような質疑がされたのか?ということは、とても関心のあることです。
そのため、説明会の様子がうかがえる議事録を作成し、公表するよう生活者ネットワークは求めていますが、現在のところ「検討中」に留まっています。
議事録の公開に向け前向きに区が対応するよう、引き続き求めます。
◎障がい者福祉施設の建設説明会なのに、障がい者当事者への配慮が不十分。
説明会では、手話通訳者の配置があり聴覚障がい者への配慮はありました。
しかし、全体の説明はパワーポイントに終始したため、視覚障がい者が説明を理解するにはとても難しい状況でした。
今回の説明会は、【障がい者・高齢者福祉施設を建設するための説明会】であり、視覚障がい者への配慮もあるべきです。区の対応の不備は非常に残念です。引き続き改善を求めていきます。
◎3年前に計画されていた保育園の建設は無くなり、障がい者・高齢者福祉施設が拡充されることになりました。保育園の建設撤回について区の心無い説明に、地域住民からは落胆の声。
3年前の説明では、保育園と、障がい者・高齢者福祉施設の建設が計画で示されていました。
しかし、今回の説明では、「前回の計画案から3年が経過し、その間に保育園が増え需要は一定程度満たされました。ですので、保育園は作らないことになりました。」と計画変更が示されました。
保育園が無くなった案に対し、高齢者・障がい者福祉施設が拡充されることは歓迎する。という声と共に、「保育園と一緒に児童センターが設置されると考えていた。小山台から一番近い後地児童センターまではやはり遠い。ようやく子どもの過ごせる場が近所にできると思ったのに残念。」という声や、「本当に保育園需要は満たされているのか?」と疑問を呈する意見がいくつもあがりました。
保育園の建設を見送った経緯を区は、区内全体での保育園の状況と乳幼児数で説明。
淡々と数字だけで説明をする区の姿勢に会場からは、「実際にまだ保育園に入れず困ってる声もある中で、区の説明は数字に終始している。数字だけで無く、子どもや保護者の実態を見るべきだ。」と指摘があり、拍手が湧く場面がありました。
◎武蔵小山駅周辺再開発計画による人口増の影響は、区として考えていない?
後日、区へ保育園を建設しないことを判断した時に、現在進んでいる武蔵小山商店街の再開発の影響は含め検討したのかを確認したところ、「再開発の影響は含んでいない。」とのことでした。
その理由は、区として、「再開発計画があるときには、その中に保育園をつくることを事業者に求めているから。」ということです。
区の言う通り再開発事業では、容積率緩和を条件に公共施設整備の要望を区が行います。
保育園は容積率の緩和率が良い施設の一つであり、再開発事業者にとっては都合の良い施設の1つです。
生活者ネットワークは、再開発事業では地域住民が求める公共施設を設置するよりも、緩和率の良い施設が優先されているのではないか?と懸念し、予算特別委員会で質疑しています。
◎地域住民への説明や対応の不足を指摘する声
地域住民からは、工事による風塵の影響で生活に支障が出ていること、歩道が狭く危険であることなど、さまざまな意見があがりました。
これまで区は、地域への説明が圧倒的に足りていませんでした。また、地域にとって必要な施設を地域住民から聞く機会を設けずにいました。
地域とのコミュニケーション不足が区への不信を生んでいるといっても過言ではありません。
区には、地域の声を聴く姿勢や、丁寧な説明を細かく行うよう引き続き求めていきます。