危険すぎる「共謀罪」

3月24日「共謀罪」の学習会に参加しました。講師の長尾さんから、このチラシは、改変や一部の切り取りをしなければ転載・転送・印刷・配布自由と許可をいただきました。皆さん是非、周りの方へ配布するなど利用してください。

法律に違反する行為を話し合い「合意する」ことが罪になる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだの審議が4月6日午後、衆議院本会議で始まりました。「共謀罪」は実行行為を処罰する日本の刑事法の原則を大きく変えることになります。

3月24日に弁護士であり、安保関連法に反対するママの会の事務局長を務めている長尾詩子さんが講師を務めての「共謀罪」の学習会へ同僚の吉田議員と参加しました。長尾さんとは議員になる前に「怒れる女子会」に参加した時にお目にかかりお話を伺っています。またお会いできるのを楽しみにしていました。

国際組織犯罪防止条約の締結などを理由に2000年代に3回、国会に法案が提出されましたが、「一般の市民団体や労働組合が対象となる」「思想や内心を理由に処罰される」と批判を浴び、いずれも廃案になった経緯があります。
しかし今、アベ政権は「オリンピック・パラリンピックの成功の為にはテロ対策が不可欠。テロ対策の為に共謀罪は必要だ!」と、「共謀罪」は「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変え、再び国会へ提出されたのです。

 

『「法律違反をしようとしている人が逮捕・処罰されるならいーじゃない。」などと一見良い法律だと感じている方もいるかもしれませんが、そうではありません。「法律違反をしようとしている人を、どのようにみつけだすのでしょうか?」ここが共謀罪の怖いところです。』このように長尾さんは指摘し、細かに説明してくれました。

 

・菅官房長官は一般の人が共謀罪の対象になる事は無いと発言していましたが、「一般の人」の定義は何か?分かりません。

・金田法相は、正当な活動をしていた団体が、犯罪を実行しそうな団体へと「一変した」とみられる場合には、組織的犯罪集団となりうると発言をしています。しかし、この「一変した」のを判断するのは警察で、つまりは、目をつけられてしまえばだれにでも警察の捜査がおよぶということ。

このようあいまいな議論で、過去3度も廃案となった同様な法案を与党自民党は強行採決しようとしています。

 

法律違反をしようとしている人や団体を見つけ出すには、市民の会話や電話、メールなどの盗聴・監視が強化される事はもちろん、友達グループや、さまざまな団体に捜査機関がスパイを送り込むことや、情報を流す協力者を作り、「共謀」があったことを密告させるようになります。
それにより、誰の事も信用できなくなる「疑心暗鬼な社会」がつくられてしまうのです。戦時中にあった「隣組」や「治安維持法」が再び起こるのではないかととても危惧します。

テロ等準備罪、私たち市民や社会への監視が強まるとても恐ろしい法案です。
民進、共産、自由、社民の野党4党は廃案を目指すとのことです。市民の声を代弁してもらえるように応援していきましょう。そして市民ひとり一人が声を上げていきましょう。<たなか・さやか>

「明日の自由を守る若手弁護士の会」(通称・あすわか)