品川区立学校で利用する区民保養所「光林荘」で発生した「トコジラミ」について
品川区が民間貸付方式で運営している区民保養所「光林荘」。
区立学校5年生の林間学園・6年生の移動教室の宿泊先として活用されています。
その宿舎において、トコジラミ※が発生しました。
宿泊していた子どもが部屋の異変に気づき教員へ訴えましたが、その場において適切な対応がされず、子どもたちは不安な夜を過ごしたという報道がありました。
また、8月5、6日に宿泊を予定していた学校の子どもたちは、急遽、日帰りとなりました。
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(※トコジラミについて)
トコジラミは2015年に80年ぶりに国内で発見されたそうです。
2024年には厚生労働省が旅館業の施設等におけるトコジラミ対策についてという注意喚起を促す通知を出しています。
(関係資料:生活衛生関係技術担当者研修会 衛生害虫トコジラミに対する対策について)
トコジラミは家に持ち込まれると、比較的短期間で数が増え家の中に広がります。
家中に広がると駆除が困難になるため、早期対策が重要です。(参考:東京都福祉保健局健康安全部環境保健衛生課 チラシ)
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今回、部屋の異常を訴えた子どもたちの声はなぜ届かず、適切な対応がされなかったのでしょうか。
それには、光林荘が区長部局と教育委員会部局をまたがるために情報共有等の連携に大きな課題があったからではないか?と推察します。
再発防止として、施設管理をする区と教育委員会や関係部署全体で今回の事例を検証することや、害虫等が発生した時の緊急対応を講じる必要があると考えます。
最も重要なことは、宿泊中に被害を受けた子どもたちと、直前に林間学園が中止となった子どもたちへの丁寧なケアです。
教育委員会は代替案について、現在、校長会等で相談し検討しているとのことですが、大人だけで決めるのではなく、子どもたちの声も聴きながら丁寧に検討がされていくことを強く望みます。
■現状のトコジラミ被害について
8月6日現在、教育委員会に届いているトコジラミ被害は、死骸が付着していた事例1件のみということです。
教育委員会は、被害等の相談に対応していくと明言しています。
何か、気になることがあれば教育委員会または、生活者ネットワーク 田中さやかまでご一報ください。
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林間学園での自然学習等は、子どもにとって貴重な時間になると思います。子どもたちが安全に過ごせる林間学園の場を協力し合い創っていきたいと思います。画像は、林間学園とは関係の無い都立林試の森公園の様子です。木陰の中は気持ち良い!気候危機は喫緊の課題!森林を今こそ増やそう!
■品川区・品川区教育委員会の情報発信の課題
今回、区有施設を利用中に、区が注意喚起するトコジラミが発生しています。
本来であれば品川区、あるいは品川区教育委員会として率先して情報発信をすべきだったと私は考えます。
8月5日に保護者から情報が届いていた生活者ネットワークは、5日から6日にかけて各部署へ問い合わせを実施しています。
〇教育委員会の情報発信について
教育委員会は、”保護者に向けて状況を説明する通知を予定している”とし、6日夕刻に教育委員会から各学校を通して保護者に通知しました。
しかし、学校によって通知の配信状況が異なり、情報を得ている家庭とそうでない家庭が存在することが生活者ネットワークの調査で明らかになっています。
学校からのメールで情報を得た保護者からは、「発生した部屋の番号も知らせてもらいたかった。子どもの状況や、子どもが持ち帰った荷物を確認するためにも必要な情報だったのではないか。」という意見や、「トコジラミの発生はどこでも起こりうるリスクであるため、見つかった場合の処置についてより具体的な情報が欲しかった。」などの声が届いています。
〇区長部局の情報発信について
品川区は、8月5日夕刻に”新着情報”としてごく一般的な注意喚起である「トコジラミについて」を掲載しました。
区有施設で発生した事例については触れていません。
すでに報道等でトコジラミ発生の情報を得ていた方からは、品川区としての発信が無いことに疑問を抱いています。
情報発信の在り方について、情報公開を進めるとする品川区と、教育現場での安全管理をする教育委員会として、改めて検討する必要があると考えます。
みなさんはどのように考えますか。
本件については、日を追うごとに子どもからも意見が寄せられています。
みなさんのご意見、ご要望をお知らせください。お問い合わせフォームはこちら
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■第1回 品川区区民保養所のあり方検討会 会議録PDF