品川区立中学校 修学旅行先に万博 ー学校説明会後でも行き先変更は可能!子どもの声を聴き、命を守る選択肢をー
今、品川区立中学校の一部が、大阪・関西万博を修学旅行の行き先として検討・計画を進めています。
大阪・関西万博では、2024年3月に学校の団体休憩所が設置される「夢洲1区」でトイレ建設中にガス爆発が起きています。
現在、万博では暑さ対策やメタンガスの問題、トイレ設備の未整備など、安全面での不安が相次いで報道されています。
そうした中で、「本当に子どもたちを行かせても大丈夫なのか?」という不安は当然のものであり、品川・生活者ネットワークと、私のもとには、子どもや保護者から不安の声が寄せられています。
そもそも大阪・関西万博は、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)を目的に開催されており、子どもの修学旅行先として相応しいとは思えません。
(日本初のIR,万博会場の隣で24日から本体工事へ 朝日新聞)
日本はギャンブル依存症患者が諸外国に比べたいへん多い国です。
世界保健機関(WHO)では、ギャンブル依存症を「治療すべき病気」と位置づけていますが、日本でのギャンブル依存症への社会的ケア等はなかなか整備が進まずにあることも忘れてはなりません。
■品川区教育委員会(担当部署は教育総合支援センター)に以下、確認をしました。
1.修学旅行先を万博にしている区立学校は何校あるのか。
→複数、聞き取ってはいるが、まだ正式な届*は提出されていないため確定ではない。
保護者から声が寄せられているのは1校。
(*修学旅行日の2週間前に学校から教育委員会に提出される届け。)
2.万博行きは区教委から学校に促しているのか。
→国から2年前に通知を受けている。国と都が万博を推進しているため、区教委としても同様の立場であり、万博を候補地として促している。
3.熱中症対策・メタンガス・トイレが使用できない不備等が指摘されている。これらの安全対策は区教委としてどのように学校に求めているのか。区教委からの提案等は行っているのか。
→区教委として、万博だからとそれに限った注意事項や安全対策を新たに設けてはいない。区教委としては学校から提出される届けにある安全配慮の記載を確認する程度である。また、安全対策としては、大きな地震が来た時の対策のほうが重要で注視している。地震対策について抜けていたら指摘をする。
4.万博行きを子どもや保護者に報告した学校がある。そこに通う保護者から不安の声が寄せられている。学校の決定は確定なのか。上記の正式な届が提出されたら、行き先を変更することは不可能となるのか。
→学校が、説明会を行った後や、届け出を区教委に提出したあとでも、行き先を変更することは可能。届出書は、変更内容を再度提出すれば良い。
高校生からも、”修学旅行先が万博になるかもしれない”との不安の声が届いており、
都議会生活者ネットワーク 都議会議員 岩永やす代 が
東京都教育委員会にも都立学校の修学旅行先について確認をおこなっているところです。
■修学旅行先は、子どもの声を聴き、子どもの安全確保ができる場所にして欲しい。
修学旅行は学びの場であると同時に、子どもたちにとっては思い出の場ともなります。
子どもたちから、安全性のリスクも踏まえたうえで
”それでも万博に行きたい!”との要望の声が大きいのであれば、万博行きを否定するのものでは全くありません。
しかしながら今、子どもから漏れ聞こえてくる声は、
”万博行きはいつ、だれが決めたの?””本当に最悪、終わった”という嘆く声です。
子どものための修学旅行なのですから、子どもの声を聴き決定することが重要であり、必要なことであるため、現場の教員等には是非、子どもたちの声に耳を傾けて欲しいです。
また、行き先が安全であることは、命を預け参加する生徒・保護者が納得できるものであることが大前提のはずです。
安全のリスクが懸念されている場所に子どもたちを連れて行くことは教員側にとってもリスクが大きいです。
子どもたちが安全に過ごせる場所なのか。
学校には慎重に精査し判断してほしいと強く願います。
■修学旅行説明会開催後や、学校が届け出を提出した後でも行き先変更は可能!
都立学校に通う子どもが、学校から修学旅行先を万博と告げられ落胆していたのですが、「行き先変更は可能だよ!」と、変更可能な理由を説明しました。
子どもたちと保護者で協力し、学校に話すことや、教育委員会に伝えることなどで行き先変更は可能です。
もし、学校への話し方などで不安を感じる方は、田中さやかお問い合わせフォームにご連絡ください。
■最後に 学校は子どものためにある。
最も大切にすべきなのは、子どもの安全と命、そして子ども・保護者の声に耳を傾ける姿勢です。
区教委や学校には、「国や都が推進しているから」ではなく、目の前の子どもたちの命と声を最優先に判断してほしいです。
今からでも遅くありません。強行ではなく、耳を傾け、柔軟な姿勢で向き合うことが、教育現場に今、最も求められている姿勢ではないでしょうか。

子ども達の記憶や思い出に残る修学旅行です。利害関係などでなく、子どもの声を聴き判断をして欲しいです。