今期最後の予算特別委員会 報告その②

地域を歩いて、ポスターを貼らせていただいたお宅前で。(2023年3月27日)


今期最後の予算特別委員会 報告その②です。

【衛生費】
◉地域猫について
ボランティアでTNRM(マネジメント)もしはくC(ケア)をされている方の多くから、猫の不妊・去勢手術の拡充や、地域猫が亡くなったときの補助制度を求める声がありました。
地域で地域猫活動をされている方と、区の現状認識に温度差があることが他の委員の質疑からも分かりました。

地域で地域猫を見守る体制が継続できるように、引き続き支援策を求めると共に、猫のためにもずっと住み続けられる家庭に繋げる譲渡会の実施状況についても確認をしました。

 

◉精神保健事業 避難行動要支援者個別計画策定について
防災に関する計画も様々あるため、区は正確な情報提供に努めるべきです。
個別避難計画については、当事者への周知をはじめ、支援者や地域も知ることができる区としての広報を求めました。

◉統一教会やエホバの証人等の宗教での霊感商法や高額献金等の問題について
消費者センターでは、消費者庁からの通知に従い資格をもつ専門相談員が相談を受ける体制を整えています。
しかし、相談口があることが区民に周知されておらず、利用実績につながっていないことが質疑から明らかになりました。
被害者に寄り添う体制を区として整えていることが分かるように周知が必要であると求めました。

*柔軟剤等による香りの害「香害」については、時間切れとなり質問できませんでした。
意見表明の中で吉田ゆみこが香害問題について主張しました。

【土木費】
◉特定整備路線の用地活用と、関連して公園整備について
品川区には、子どもの「やりたい!」を応援する2つのプレーパーク(冒険ひろば)があります。
しかし、荏原地区には残念ながら適地が見つからないという理由で常設のプレーパークはできていません。

生活者ネットワークは2019年3月の予算から、フェンスに囲まれた道路予定地の活用について求めています。
最近では、他会派からも活用について質疑があり、区も前向きに取り組む姿勢を示しています。

子どもが自由な発想で安全に遊べる場所の一つに、フェンスに囲まれた特定整備路線の用地活用の検討を要望しました。
子どもの遊び場としての活用が可能であるならば、プレーパーク運営者をはじめ、園庭がなく遊び場に困っている保育園事業者等にも、区から声をかけていただきたいと要望しました。

公園整備について
「バスケットボールの練習ができる場所がほしい」と、以前から多くの声が寄せられています。
バスケットボールができる公園は近隣への騒音問題から、なかなか設置できる公園が見つからず減っているとのことです。
また、せっかくバスケットゴールが設置された公園では、「サッカー場と併設されているため使いづらい」「児童センターにあるバスケットゴールもほとんどが大人用。ミニバスケができるところが少ない」との意見も寄せられました。
当事者からの要望を反映し、区へ設置状況の改善と練習場の拡充を求めました。

しながわ水族館リニューアル経費と、関連してParkPFI導入について
20223月に区は「しながわ水族館リニューアルの方向性について」を示しました。
その中で述べられている検討委員の意見には、「将来、都市型リゾートをイメージさせる観光地となると良い」とあることや、「競合」という文言が多く使われていることに区民からは不安の声が寄せられています。

P10では、大人をターゲットにしたリゾート指向の強い水族館が誕生している中で、しながわ水族館(以下しな水)は、〈子どもの教育を重視した水族館のままなので、社会的ニーズから遅れている〉とあり、P21では、〈大人の知的好奇心を満足させる水族館〉として、≪大人を中心とした展示展開をしていくこと≫が示されています。

この方向性について、地域やしな水が好きな方からは「しな水の親しみやすい今の良さを活かすべき」との声が聞かれていることや、こども基本法が施行される中で、展示展開を〈子ども中心〉から〈大人中心〉に転換していくことは、大きな課題意識を持つと主張し、問題提起しました。
また、リニューアルに向けて、区民の意見が反映させられる時期での区民の声を聞く機会を設けるべきだと強く求めました。

【区民公園はPark PFIの候補地の一つ】
ParkPFIについては、区民からの陳情も提出されており、その会議録を確認しながら質疑を行いました。
陳情審査の段階では区は、「ParkPFIはまだ導入するかどうかも検討」という主旨で説明がされていたのですが、311日号の区報では、【Park-PFI制度*3の導入に向け、4年度に実施した調査結果を踏まえ、運営事業者の公募・選定を行い、魅力ある都市公園の創出を図ります。】と記述されていました。
これはすでに、〈導入を決定した〉と読み取れると考え、事実確認をしましたが区は、「検討中」との答弁を繰り返すのみでした。

生活者ネットワークがParkPFIの活用で懸念することは、利用する市民にとってのリスクです。
それは「誰もが使える公園ではなくなるのではないか?」ということです。

公園には、水飲み場やトイレもあり、緊急時の福祉的なセーフティーネットとしての役割もあります。
陳情審査では、その視点での説明や議論が無く非常に不安に感じました

また、区が行った事業者ヒアリングでは、<「しっかり事業が成り立つので、積極的な参加をしたい」と意見があった>と報告しています。
過去には、他自治体ではParkPFIを請け負った事業者の見込みが甘く、経営破綻になった事例があります。

そのようなことが起きないように、区として事業計画を読み解き判断できる部署があるのか?
そもそも、事業者選定に必要な契約の仕様書の作成は誰が作成するのか?
事業価格の適正は誰が判断するのか?
…など、契約内容について確認をしましたが、答弁では何も中身を確認することはできませんでした。
引き続き調査してまいります。

【教育費】
◉スピーキングテストについて
生活者ネットワークは、入試でスピーキングテストを活用することに納得していません。
過去に個人情報を漏洩した事業者に、入試をたてに子どもの顔写真付きの個人情報を渡すことが迫られることに強く懸念を抱きます。
また、採点の公平性・客観性などにも大きな問題があることを理由に、スピーキングテストの中止を主張してきました。

さまざまな懸念が解消されないまま、スピーキングテストは実施されました。
区教委に「受験生や保護者から試験のトラブルについて寄せられた声があったか?」と確認しましたが、区教委は「把握していない」とのことでした。
しかし、生活者ネットワークには当事者から「トラブルがあった」との声が寄せられています。
今後も引き続き、スピーキングテストの入試活用の中止を求めていきます。

◉まもるっちについて
まもるっちの貸与は、区内在住の小学生が対象ですが、貸与に関するHP等のお知らせでは「都立」が抜けています。
都立特別支援学校に通う区内在住の子どもも〈対象である〉とわかるようなHP掲載の改善を求めました。

また、生活者ネットワークは「まもるっち」に頼りすぎている大人側の防犯意識が薄れていることに危機意識をもち、意識向上に向けた改善策を提案してきました。

緊急時には子どもは特に、体が硬直し動けなくなることがほとんどです。
ですから日頃から「何かあったら逃げる!」と、逃げて身の安全を確保する訓練を学校でも家庭でも日頃から行うことが必要だと、これまでも主張してきました。

これまでは、セーフティ教室でまもるっちの活用方法と防犯について知る機会が確保されていましたが、感染症対策で対象学年以外の方の参加は縮小されていました。
現状の保護者や地域の方のセーフティ教室の参加状況や、区立学校以外に通う子どもへの活用周知について確認しました。

そして、KDDIが作成するまもるっちのチラシには「ハーツ」などの品川区独自の機能があることが反映されていない問題についてもこれまで質疑してきましたが、改善に至っていない状況が明らかになりました。

事業者の主導でチラシ作成を進めるのではなく、利用者が機能を知ることができるように区や区教委が積極的に意見しチラシに反映させることが必要です。
また、まもるっちを所管する部署が、地域振興部(生活安全担当課)と教育委員会にまたがっており、利用者にとって分かりづらい状況にあります。
教育委員会に戻し、混乱を避けることを改めて求めましたが区教委は否定しました。

◉学校図書館について
品川区は「教育に力を入れている区」として、他自治体からも注目されています。
しかし、子どもの深い学びと、教員のフォローとして重要な「学校図書館」については関心が低い状況が続いています。
その具体的な例のひとつとして、図書司書の配置日数が23区の中で2番目に少ないという非常に恥ずかしい状況にあります。
また、学校図書館には「情報センター」としての役割もありますが、図書司書・スタッフが、学校図書館内でインターネットを使えない状況についても、未だに改善がされていないことが明らかになり、迅速な対応を求めました。
学校図書館は、子どもの居場所のひとつとしても非常に重要な役割になっています。
引き続き改善を求めてまいります。

◉ガン教育について
区立学校では、2021年から医師が講師となり、行う「ガン教育」を中学2年生(8年生)を対象に始めています。
補正予算や、衛生費等でも他会派からも指摘があったとおり、ワクチンについては「正しく理解して、接種する・しないを個人が納得して判断すること」が重要です。強要することは許されません。

また、副反応についても起こる可能性があることは、このコロナウイルス予防接種で共有ができました。
生活者ネットワークはこれまで、個人が、ワクチン接種を打つか打たないか判断ができるような情報提供を区に求めてきました。
それが現在、区のHPでのワクチンの説明書の公開に繋がっています。

しかし、区内のある学校のガン教育に参加したところ、hpvワクチンについては、ほとんど副反応が無いことがわかったので、みなさん保護者と話して接種してください。」と呼びかけがありました。

hpvワクチンに限らず、ワクチンの副反応に現在も困っている子どもがその場にもいるかもしれない中で、当事者の子どもが声を上げられなくなる可能性もあり、問題です。
また、区のHPで掲載されているhpvワクチンの説明書では、他のワクチンを打った時に発熱した方は、接種に関しては注意をするよう呼びかけられています。
感染症のワクチンの副反応では、子ども・若者の多くが発熱を訴えていました。
注意書きについての周知こそが必要
です。

「ガン教育」という必要な学びであるからこそ、個人が納得して選択することの重要性を伝えるべきだと改善を求めました。
hpvワクチン…子宮頸がんワクチン

多岐にわたる項目ですが、報告させていただきました。
今後発表される品川区議会「会議議事録」をぜひご覧ください。
また、ご意見やご質問がございましたら、HPやネットワークニュースなどでも報告してまいります。

(田中さやか)