品川区の保育の質の確保のために!保育従事者への処遇改善を実現させよう!
品川区にある私立認可保育所(社福経営は除く)の保育従事者給与支出(2018年度最新)を公開します。

「保育従事職員人件費割合」の公開の実現は、保育者として働くことを希望する方や保護者が《保育所を選ぶ一つの指針》になると考えます。今は情報公開請求の手続きが必要です。常時公開の実現を目指します。
品川・生活者ネットワークは、待機児童解消と共に保育の質の確保が重要だと品川区に求めてきました。
保育の質の確保には、保育士の処遇が大きく影響します。現状は保育士の処遇が低く、保育士が長く働き続けることができません。結果として経験者が育たないことなどが挙げられます。
保育士は、子どもの命を預かる重要な役割を担っています。保育士への賃金が安定的に支払われ、保育士が働き続けられる環境が整うことが重要です。
私立認可保育所を運営するにあたり、運営事業者には「運営費」として「委託費」が市区町村から支払われます。
私立認可保育所に対する「委託費」は、「子ども・子育て支援法」により、使途範囲及びその運用の取扱いが定められています。
委託費には、運営に要する費用が支給されることとされており、委託費は税金を原資としており、国・都・区がそれぞれ負担しています。委託費は「公定価格」に基づき、預かる子どもの年齢別の子ども一人当たりの単価の積算で決定します。
委託費は「人件費」「事業費(給食費・保育材料費など、子どもにとって直接的に必要な経費)」「管理費(福利厚生費など)」の3つに区分されています。
保育問題を追求するジャーナリスト小林美希氏によると、内閣府が想定している人件費比率は、公定価格の「基本単価分」だけでも人件費比率が約8割を占めています。
また、この人件費率に関しては、2018年6月8日(金)第196回国会 厚生労働委員会で政府参考人が「内閣府でございます。公定価格を所管しております。民間保育所への委託費のうち、基本単価分だけでございますけれども、人件費の占める割合は約八〇%となっております。」と、答弁をしています。(議事録はこちらから確認できます。)
品川・生活者ネットワークは、私立認可保育所(社福経営は除く)の保育従事職員人件費割合の記載がある財務諸表を品川区に求め、情報を得ることができたので上記に一覧を添付します。
一覧から分かるように、本来は人件費を8割と国は想定していても、実際には人件費は高いところで5割。低いところでは2割となっているのが現状です。
また、表の右側にある「事業活動収入に占める保育従事職員人件費の割合②÷①×100」について、事業者により大きく差があることが明確です。
保育従事者への人件費が下がる理由には、委託費の弾力運用(流用)が国の制度上認められているという大きな問題があります。委託費が運営事業者の他の事業に流用されている状況があるのです。
早急に弾力運用を規制強化する制度改正が必要です。
品川区も都のキャリアアップを受けていない事業者へ、区独自のキャリアアップ制度(品川区保育士等キャリアアップ補助金交付要綱)を設けるなど、保育従事者への処遇改善に力を入れています。
(*品川区の公設民営施設に関して、財務情報等の公開を求めていました。2020年9月2日に区のHPで公開されましたが、都の公開方法と同様で「保育従事職員給与支出」が表記されていません。)
品川・生活者ネットワークは品川区に、保育の質の向上と保育者への処遇改善について以下のことを求めています。
①品川区独自の保育従事者人件費割合を設定する。
参入事業者に対し、品川区の設定人件費割合を下回った場合には、なんらかのペナルティをおこなうなどの対応。
②キャリアアップ補助金が事業者に支払われる仕組みになっていますが、事業者から確実に保育士の手に届く仕組みづくり
③正規、非正規にかかわらず、子どもと接するすべての人の処遇が改善される仕組みづくり
保育現場の実態は、外からはなかなか見えません。
そのような中で、このような数字は保育の質を示す一つの指針となるのではないでしょうか?
現場にいる保育者や、子どもを預ける保護者の皆さんのご意見・要望等お待ちしております。
田中さやか