しながわ子ども食堂フォーラム2019
6月29日(土)、中小企業センターで開催された「しながわ子ども食堂フォーラム2019」に参加しました。
会場では、子ども食堂の風景や事例紹介が展示され、企業から寄付された食材を用いた料理が提供されるなど、楽しむ参加者の姿を見ることができました。
品川区は子ども食堂を運営する側と、支援する地域や企業など、子ども食堂に関心のある人たちが情報共有できる仕組みがつくられ(通称「しながわ子ども食堂ネットワーク」)成功している先行自治体として注目されていると聞いています。
子育て、子育ちの不安、孤食の実態や経済的に負担を抱える家庭の存在が浮き彫りになり、改めて子ども食堂が「居場所」として求められていることを実感しました。
しかし、フォーラム開催時に「子どもが歩いていける距離、例えば各学校区に一つずつ子ども食堂ができるとよい。」と挨拶した行政の言葉にとても強い違和感を覚えました。
その理由は、行政が子どもの貧困対策として「子ども食堂」を考えているのではと感じたからです。
行政の役割は、内閣府の「子供の貧困対策に関する大綱」が示すように、
子どもの将来がその子が生まれ育った環境によって左右されないように、そして、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることです。
行政はあくまでも支援に徹し、本来の貧困問題に真摯に向き合い対策に講じるべきです。
パネルディスカッションでは、各子ども食堂での地域、企業との良好な連携について報告がありました。
一方で、「子ども食堂」に対する市民の良心につけこみ、
利益のために「子ども食堂」が悪用される懸念についても触れられていました。
子ども食堂が広がりをみせ、インフラとなってきたといわれている今だからこそ、今一度、本来の目的は何かを、それぞれの立場から考えてみる必要があると思いました。
田中 さやか