大井行政サービスコーナーの民間委託に異議あり
4月1日から大井町駅の1階にある大井行政サービスコーナーの窓口業務が民間に業務委託されました。この件については、品川・生活者ネットワークは情報漏えいの対策が不十分であるという理由で反対しました。
サービスコーナーの窓口業務の民間委託について報告されたのが2月27日に開かれた区民委員会が初めてでした。大井行政サービスコーナーに続き、2018年開設予定の上大崎行政サービスコーナー、いずれは庁舎内の戸籍住民課の窓口も民間委託の方針であるということも内容に含まれていました。
以下区民委員会の様子を報告します。
大井行政サービスコーナーの民間委託と新規開設について「検討中」という報告ではなく、4月より民間委託をします、という「報告」という扱いで議会にだされました。
住民票や戸籍、個人番号(マイナンバー)などの個人情報を扱う行政サービスコーナーが4月より民間委託されるという重要な項目が議会の意見も書かず「報告」で進んでいく事に違和感があります。
品川区はこのサービスコーナーを民間委託にする理由を、民間企業の専門能力を活用した区民サービスの向上と、運営の効率化、人件費の縮減をあげています。
区民サービスの向上を求める事を否定はしませんが、個人の重要な情報を扱う窓口に求められるものは、情報漏えいが起きないように徹底した管理と、もし起きてしまった時には、すぐに対応し2次被害や再発防止に努める体制つくり、そして何より責任の所在の明確化と考えます。
個人情報を扱う窓口にはDV被害者・加害者などの切迫した状況に置かれている方も訪れる重要な窓口です。DV加害者は、夕方などの混雑時を狙い窓口に訪れ、窓口が混雑する中で暴れ、窓口業務を行っている職員が委縮し書類を提出してしまうように仕向ける。という話を聞きました。
行政としても、非常に重要な業務の場に経費の削減を当てる説明が、納得できるものではありませんでした。ちなみに削減額は人件費でおよそ500万円です。
もし、委託業者が窓口業務でそのような場面に遭遇した時には、区の職員は助けに入る事は出来るのか?もし、対応などの助けに入った場合は偽装請負になるのではないか?と確認したところ。
◆「事業者の方がそれに対応できるのであれば、それにこしたことはないですけれども、それではとても対応できない場合は、最終的に区の職員が対応をします。
◆お隣に交番もございますので、危険を感じる場合は交番に助けを求めるということも考えなければいけないと思っております。」
◆「証明発行業務の本質的な問題とは違うので、それ(偽装請負)は問題ないと考えます。」との事でした。
窓口で危険を感じるようなトラブル時は交番へ助けを求めると発言することはおかしなことではありませんが、交番が隣にあるので心配いらないというニュアンスを感じてしまい区の姿勢に疑問を感じました。また窓口業務の委託で、委託業者と区職員の業務の線引きについて、「引き継ぎ業務なら偽装請負にならない。」という区の説明を受けても理解しがたいものでした。
残念ながら4月1日から区は民間委託を進めるという決定をすでにしています。そしてこの案件は報告事項で、議員や議会の意見を聞いて検討というものでもありません。しかし品川・生活者ネットワークは、足立区が戸籍窓口業務を民間委託して撤回したことなども踏まえ、再任用職員の不明瞭な仕事内容とあわせてこの事業の民間委託は反対であると主張しました。今後もこの窓口業務の業務委託については注視していきたいと思います。<たなか・さやか>