「障がい者基本条例!先進自治体国立市に学ぶ」に参加しました

風車の会(障がいがある人もない人も生きやすい品川をつくる会)主催の第3回学習会「障がい者基本条例!先進自治体国立市に学ぶ」2018.2.25(左から吉田ゆみこ区議、天野誠一郎さん、田中)荏原第三区民集会所にて

2月25日(日)に風車の会(障がいがある人もない人も生きやすい品川をつくる会)主催の第3回学習会「障がい者基本条例!先進自治体国立市に学ぶ」に参加しました。講師は生まれつきの脳性まひ、障害者手帳1種1級を持つ天野誠一郎さんでした。

天野さんは大学卒業を機に自立生活をはじめ、様々な職責をへて、現在は多摩地域の社会福祉法人の評議員と作業所の理事をされています。風車の会のメンバーが東京自治研究センターの学習会でお会いして話を聴いた縁で今日の学習会にお呼びしたとのことでした。

始めに、司会の方が風車の会の活動を丁寧に参加者に伝えてくれました。
障がいのある人もない人も生きやすい品川区を共に創っていきたいという人たちが集まった任意のグルー

丁寧に風車の会の活動を説明する司会者長野一郎さん(品川区視覚障害者福祉協会会員)

プです。発足後すぐに、障がいの違いによる生活の中の困難さを理解し合おうことから始め、お話を聴く会を毎月開催。ゲストスピーカーには、青年期にスキー事故で高次脳機能障害のある方、全盲の視覚障がいの方、脳性まひで身体障がいのある子の保護者、車イス利用の身体障がいの方、支援事業所で働く方、と様々な方たちの生きづらさを共有されたと伺いました。

一方で障がい者を取り巻く制度について学ぶことも続けており、第1回2014年11月『障害者権利条約と関連法 共生社会を実現するために』講師:佐藤久夫さん(日本社会事業大学特任教授)第2回2015年8月「障がい者権利条例先進自治体に学ぶ』講師:木村俊彦さん(新座市議会議員・地域福祉コーディネーター)をお招きしての学習会が行われています。私は第2回にも参加しましたが、当時は障がいのある方たちとあまり話をする機会が無かったので、どのように付き合いをしたらよいですか?というような質問をしたことを思いだします。
あの時から、社会や暮らしの中で小さい時から一緒に育ち学ぶという生活が必要だと思うようになりました。

講師の天野さんは深刻なお話をしながら時に笑いも自然に起こるような話術でユーモアのある方でした。国立市障がい者条例化ワーキンググループ座長を務め、障がい者当事者として条例作成に関わったお話を伺いました。
そして、障がい者とその家族が抱える問題として、ご自身の家庭の例を挙げて話をされました。その体験から、障がいのある子どもを育てる親は、子どもを抱え込まず、「自立する力」を子どもと一緒につけることが重要であると結論付けました。子育ては障がいのあるなしに関わらず「自立する力」をつけることは共通していると思いましたが、親の立場やジレンマというものがよく理解できました。

そして1970年代に起こった障がい者運動の話、当時の運動に一緒に関わった方も参加者の中にいて当時のことを意見交換の場でお話しくださいました。

現在の日本の重大な問題点など多岐にわたるお話を天野さんから伺うことが出来ました。障がいの有無に関わらず、誰でも良いことも悪いことでも「体験すること」が力となること。障がいを分けることは差別に繋がること。世代間断絶は日本全体で起きている大きな問題であり、危ない方向へ進みやすい状況にあることなどなど。その解決のためにも、企業や家族で一人一人の人間性を認めることや、ゆずりあうことが日本の危機的状況を改善させる一つだとし「一人の人は、1つの世代しか生きられない」という謙虚な姿勢を持つことが必要だという言葉が心にすとんと落ちました。<田中さやか>