すまいるスクールが変わる?! 行政主導が許されるのか?!

2015年11月5日 16時15分 | カテゴリー: 活動報告

すまいるスクール変わる?!

学童保育が廃止となり、新たに放課後児童対策として「すまいるスクール」が導入されてから10年が経ち、(先のHP記事でお知らせしたように、前触れなく)今定例会で制度改変が提案され、実質改正に向かうこととなった。

改正前の利用規定は、1年生から6年生が在学する小学校内にある「すまいるスクール」を、下校時から18時まで利用できるというもの。掛かる金額は【登録費用:1200円/年(2014年度) 内訳:登録料550円、放課後子ども教室補償制度費用保険掛金650円】(他に希望者には勉強会参加費(週1回の学年は500円/月、週2回の学年は800円/月・・・教材費として実費の必要な教室(講座)も)というものだった。

しかし、今回採択された条例では、登録料に加え、下校時から17時まで利用する場合は250円/月、下校時から18時まで利用する場合は3000円/月、下校時から19時まで利用する場合は4000円/月という利用料が課金されることになる。

17時から19時までの利用は保護者の就労、疾病、その他規則で定める適切な保護を受けることのできない第1学年から第3学年までの児童。利用料は大幅に値上がりし、3年生以上の児童は17時以降には追い出されてしまう。こんな大幅な変更がされることを、私を含む多くの保護者・利用者はまったく知らされていなかった。

生活者ネットワークは、最低限の受益者負担は否定していないが、利用者や指導関係者への利用状況の聞き取りなど事前調査もせずに、「料金設定」「時間設定」「17時以降の利用学年の制限」「おやつ(補食)規定を変更」してしまう行政主導を意に介さない進め方には、到底納得できるものではない。政策決定機関である区議会への事前説明もないばかりか、なにより

『子どものことは子どもに聞け』という、子ども施策を提案・実施したり、改定が必要なときの、いまや「子どもの権利基盤型アプローチ」が当たり前の自治体運営が問われているのに・・・品川区は、そういうことは歯牙にもかけないということなのだろうか?

◆決算特別委員会で、各会派からあがった声

3回定例会と平行して行われた「決算特別委員会」では、当然ながら、各会派からもさまざまに「すまいるスクール」にかかる制度改変への疑問・疑義が呈せられている。

19時まで預かってほしい」という働く親の声(自民党)や、突然の変更にとまどう「すまいるスクール」の職員の声(共産党)。突然の変更にとまどう学校職員の声と、学校と「すまいるスクール」の関係が希薄になっている中での今回の急な決定に、今以上に両者の溝が深まってしまうのではないか? その影響は、「すまいるスクール」に通う子どもたちに向かうこととなる(民主党)、といった懸念の声だ。また無所属からは、長時間学校内に拘束される子どもの気持ちと、10年前に学童クラブが廃止された時の話が出され、当時「18時以降の延長は行わない」と区は答弁していたのに、なんだったのか?といった疑問の声も聞かれた。 

置き去りにされる子ども~住民無視のトップダウン

生活者ネットワークでは、「すまいるスクール」を登録・利用している保護者を対象に「緊急アンケート調査」を行った。集まったさまざまな立場からの声で共通していたものは、「いつ、この改定が決定されてしまったのか」「なぜ、当事者の声を聞かないのか」といった行政に対する不信・怒りの声だった。障がいをもつ子どもがいる家庭や、家で介護をしている保護者からの「学年制限なし、無料で18時まで子どもをみてもらえる制度でないと、とても生活が成り立たない」といった悲痛の声も複数届いている。

決算特別委員会での議論でもわかるように、行政の当事者への聞き取りや調査不足は、子どもや関係者、住民の現状を見ようとしない、知ろうとしない許しがたい行為と指摘されて当然だ。一方、子どもたちは、小学校からは主体性・協調性を求められ張りつめた緊張感の中で、学校生活を過ごしている。保育園を利用していた保護者、就労中など延長を求める保護者らの声があることも十分理解できるが、子どもたちの視点に立ったらどうだろう・・・子どもの視点に立って公は判断しただろうか?

子ども・子育て新システムを根拠とする同支援制度が施行されて7カ月になるが、一方で、保育の一体的な提供、保育の量的な拡充、家庭における子育て支援の充実は名ばかり、保護者の負担だけを取り出して先に決定してしまう「保育料の実質値上げ」と同様、「すまいるスクール」の時間延長(受益者負担)は、子どもの意思を置き去りにしたまま、親の労働時間の延長にも繋がりかねない側面を露呈している。子育て世代のワークライフバランスをこそ社会全体で促進し、いまを生きる子どもたちの放課後を豊かなものにできるような、そんなまちづくりをめざしたい。<たなか・さやか>

*第3回定例会:第69・70・71号にかかる、品川・生活者ネットワーク反対討論は、こちら⇒http://shinagawa.seikatsusha.me/news/