マイナンバーカードを持つとコンビニで証明の取得が可能。本当の目的は何?

住基カードは失敗だったという総括をしないまま、また膨大な税金をつぎ込む愚行が行われている。そしてすでに詐欺が発生し、学校事務職員がマイナンバーを記載した書類を紛失、番号の変更を当該自治体に通知。国のシステムの不具合でカード交付予約を中止した品川区。行先不明の通知カードの山。品川区の危機管理体制をヒアリング(2016.1.27)

 119日(火)の区民委員会で、マイナンバー交付に関連して区民の利便性の向上にコンビニで証明書交付が9月からできるように計画しているという報告がありました。

マイナンバーに関しては情報漏えいへの懸念が多く、マイナンバー通知は届いたが何をどうしていいのかわからないという声を多く耳にするほど、マイナンバーへの理解は進んではいません。法律では個人番号を人に見せたり、知らせたら違反になると聞くが本当かと心配している人もいます。リスクはあってもマイナンバーカードを取得するメリットがないので通知は届いたが、交付申請はしないという声も聴きます。 

生活者ネットワークは預金状況から医療情報まで、国家が個人に関わる情報を把握して「国家による個人情報の一括管理」をめざすマイナンバー制度には反対です。
ドイツのような納税カードやスウェーデンのような社会保障のためのカードとは似て非なるものであることの理解がなされていないことが大きな問題です。

 住基カードでは問題がなかったので、という安易な考えでマイナンバーカードの発行を促進するような事業を安易に導入すべきではありません。 

区内店舗のセブンイレブン・ローソン・サークルKサンクス・ファミリーマートの232店舗で、①住民票の写し ②印鑑登録証明書 ③納・(非)課税証明書をマイナンバーカードを取得していれば受け取れるという内容です。

窓口交付時の手数料は1300円ですが、コンビニだと手数料は200円。この100円は職員の人件費換算なのか値下げの金額の根拠は示されませんでした。さらにコンビニには1123円の委託料を支払うので税収は1300円に対し177円に減ることになります。
年間25万件という住民票発行は21万世帯の品川区でそんなに膨大な数とは言えません。情報保護のリスクの方が区民の利便性よりも高いのではないでしょうか。

 委員会で

私:「コンビニでのマイナンバーカードの使用は情報漏洩に関して心配ではないか」

課長:「国が管理するもので、最高クラスの情報保護を施しているので漏れません。」

私:「機械の操作が分からず店員に聞いたその際に情報が漏れるということはないか」

★他会派からは「情報は漏れないし、そういう場合は自己責任。」「機械でやるんだから人がやるより安全だ。」等のヤジ。

今までは窓口で行政の人間が行っていた業務を、コンビニ交付では、交付を希望する本人がコンビニの機械で行う事になるのですから、店員が交付に来た方のマイナンバーを扱う対応を迫られることは、容易に想像できます。
交付を求めて来た方がコンビニ店員に問いかけ、その時にコンビニ店員にも知識が無ければ、いつの間にかどちらともなくマイナンバー法違反をしかねません。

私:「コンビニの店員に対し、指導を当然行わないといけないと考えますが、そういったことは考えているのか」

★「そんな事をいちいちコンビニ店員にやっていたら通常業務が出来ないだろうが」またもや他会派議員のヤジ

部長:「そういった指導も必要であると考えますので、声を掛けます」

 後日もう少し詳しく担当課に確認したところ、

機械には、とても優れた国のセキュリティシステムを使用するため、情報漏えいは考えていない。住基カードで他の自治体がコンビニ交付を行っているが、その際にも情報が漏れたなどの報告は受けていない、とのことでした。が、国のセキュリティを安全神話のごとく信頼する姿勢にとても不安な思いがします。漏れてはいけないと思いますが、万が一漏れた時にどう対処するかというリスクマネージメントをすべきです。

そして住基カードはそもそも発行数が人口の約5.5%程度に過ぎず、その中の一部がコンビニ交付するのですから、その実態把握もなく報告がないと言われてもうのみにはできません。

税の収支のことでも、そもそも住民票の交付はそんなに頻繁に行うものではないので、委託料の金額は大した額にはならないと見込んでいるという言葉には驚きました。

少ない件数であることを想定しながら強硬に「区民の利便性」と言ってコンビニ交付を行わなければならない理由がわかりません。みなさんはどう思われますか?<たなか・さやか>